まみ めも

つむじまがりといわれます

タンジェント

週末は友人家族と軽井沢にいってきた。大宮で乗り込んだあさまで待ち合わせて、あっという間に軽井沢。しんしんと冷えが這い上ってくる寒さに、台風の名残で霧雨も降っていたが、タクシーが走り出すと抜群の紅葉が目に飛び込んできた。タクシーの運転手さんによると、台風が過ぎて冷え込みがきたおかげで、紅色が一気に出たところだという。目の中が急に華やかになった。友人のご両親のセカンドハウスについて、てきぱきと支度してもらい、素の味噌ラーメン(わたしがきちんと時計を見なかったのでのびてしまった)、レトルトのドリアやごはんで、ランナーもランナーでない者も炭水化物満載のお昼をし、風邪でだるいわたしとフクちゃんとで留守番して昼寝。夕方に買い出しにいき、夜は焼肉にコロッケ、ビールも飲んだ。わたしはフクちゃんがぐずるので、ほとんどなにもしないで、何もかもやってもらってしまった。フクちゃんは、九時を過ぎても興奮してねむらず、夜は、かーちゃん、かーちゃん、と泣き声をあげていた。友人の家の一歳の女の子は、ちっともぐずらず、襖に指をはさんでもほとんど声をあげず、うれしいときにはダークサイドからうなり声をあげていた。
実は、軽井沢には宿六がハーフマラソンを走るというのできたのだったが、当日まで一度のジョギングもやらず、なぜか金曜になってぴかぴかの新品のランニングシューズを買ってきて(散々悩んで紫に決めたらしい)、グリップの効きそうな靴下に、脛のサポーター、嬉々としてファッションショーをやってくれた。どう考えても準備のしかたを誤っているとしか思えないが、結局、膝を痛くしてゴールまでいけずにバスに回収されたらしい。おなじくバスに回収された中には、チノパンの普段着も混じっていたとのことなので、世の中には自由なスタイルでマラソンに参加する人がいるもんだなと感心する。ちょっとそこまで買い物に出る気軽さでハーフマラソンに出る人だっているのだ。わたしはこどもらと沿道で応援したけれども、宿六を見つけたときのセイちゃんの応援の声の一途さが胸にこたえた。

タンジェント (ハヤカワ文庫SF)

タンジェント (ハヤカワ文庫SF)

炎のプシケ
姉妹たち
ウェブスター
飛散
ペトラ
白い馬にのった子供
タンジェント
スリープサイド・ストーリー
図書館本。表題作のタンジェントがよかった。四次元を知覚することのできる少年の話。三次元を必死に生きているわたしにとっては、理解の彼方の人間という感じがする。四次元は、見えるのか、におうのか、さわれるのか、きこえるのか、味わえるのか、全部なのか、たとえば妖怪がみえたりするのは、あれは四次元なのかどうか。夢野久作で、母親の愛人の顔がお空に見えるという女の子の話があったが、あれはやっぱり四次元なのかな。ちいさいときには妖精かしらんけど、フワフワしたもんを見たという話もきくし、ひょっとしたら感覚が鈍麻してしまっているけど、四次元は感じることができるんだろう。四次元も感じてみたいが、そのまえに鼻づまりのせいでにおいがまだ戻ってこない。嗅覚がもどってきたら、ひょっとして、四次元もにおったりしないだろうか。四次元のにおいは、なんとなく、生乾きの洗濯物みたいなちょっとだけいやなにおいを想像してしまう。ドラえもんのポケットの中は、しめった猫のにおいがするのか、どうか。