この木金の日の入りが16:27で、きょうから16:28、夕暮れが少しずつのびていくのが気持ちを励ましてくれる。日の出は年明けまで遅くなるが、早起きはもともとこたえないたちなのであまり苦にならない。朝は、ほかほかのこどもたちが両脇をかためてくれているので布団から這い出るのがちょっとつらい。半身を起こして寝る前に布団のうえに脱ぎ捨てたフリースと靴下を探る。いつも靴下が片方みつからなかったりして、iPhoneの液晶で照らしてみたり、みつからないで片足だけ靴下を履いたりしていたが、あるときひらめいて、靴下をフリースのポケットに突っ込むようにしたら、探す必要がなくなった。そうしたら、靴下をなくしている不自由をたのしんでいたことに気がついた。
- 作者: 森茉莉,早川暢子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1998/01/01
- メディア: 文庫
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サラドゥ・ロメエヌ
固く巻いたレタスの大きいのをたてに半分に割り、上を向けてお皿につけ、上に玉ねぎとトマトを薄く切ったのを、ほんの色どりにのせ、上からフレンチ・ソオスをたっぷりかけた
こういうのを見ると、たしかに家庭的ではなさそうで、ほっとする。パパのオーガイに至っては、「杏子を煮て、砂糖のかかったのを御飯の上にかけてたべるのである。又は葬式饅頭を羊かん位の厚さに切ってこれも御飯にのせ、煎茶をかけてたべた」ということで、おはぎとお茶が口の中で渾然一体したものと思えばそうなのだけれど、割り切れない感じがするが、割り切れない余りのところを味わうべきなのかもしれない。森茉莉は卵がとにかく好きだったらしく、好物を書くときのペンがとにかく踊っている。
朝の食卓で、今咽喉に流れ入った濃い、黄色の卵の、重みのある美味しさを追憶する時、皿の上の卵の殻が、障子を閉めたほの明るい部屋のように透っているのを見るのは、朝の食卓の幸福である。卵の味には明るさがあり、幸福が含まれている。
ワルツのリズムのように思うが、いかがですか。