まみ めも

つむじまがりといわれます

わたしのこだわり

こないだの金曜は休みをとってフクちゃんの病院と免許の更新。フクちゃんの体幹部の湿疹は、はっきりしたことがわからないままステロイドで消退し、このまま通院からもフェードアウトすることになった。額にも湿疹があり、痒いらしくぽりぽりとおでこを掻くのだが(林家三平みたいでかわいい)、これは汗と乾燥によるものだろうとのこと。左下瞼の湿疹も、いずれにしても幼児期だけのもので、そのうちなくなるので気にしなくてよいといわれた。湿疹の消えたところは、色素が抜けてまだらになっている。それもそのうちなくなるという話だった。ともかく病院通いから解放されてほっとした。朝からのしとしと雨が小止みになったので、バスを降りて、駅前からのんびり歩きながら保育園に送っていく。雨に濡れた銀杏のはっぱを一枚ひろって、どうぞとくれた。そのあとはどこか出掛けようかと思っていたが、億劫になってきて、警察署で免許の更新をすませ、駅前でコーヒーをお替わりをつがれるまま三杯飲み、たぷたぷになってブックオフへいき、あとは洗濯を干したり食料品の買い物をして終った。つめたい一日で、足のつま先がずっと冷えていた。
地図を夢みる 辻邦生
谷内六郎展覧会<秋> 谷内六郎
夜を走るトラブル短編集 筒井康隆
ちょっと寄り道美術館 池内紀
街に顔があった頃 吉行淳之介開高健
数学とエロチシズム 池田満寿夫広中平祐
おしゃれサラダ 開高道子
いまも、君を想う 川本三郎

わたしのこだわり――仕事・モノ・コト・人生の流儀

わたしのこだわり――仕事・モノ・コト・人生の流儀

吉村昭赤川次郎斎藤美奈子・粟津則雄・川本三郎・長尾眞・川西政明岡井隆柳瀬尚紀赤瀬川原平藤森照信道浦母都子小林恭二池内紀・新田穂高原武史村田喜代子水原紫苑伊藤比呂美・大平健・森達也森村誠一鎌田慧池辺晋一郎西江雅之渡辺えり安野光雅・内山節・星野博美角田光代
図書館の蔵書検索で池内紀の本を少しずつ読んでいくことにした。だって、好きなんだもん。その一冊目。いろんな人がこだわりをテーマに一筆かいている。みんな、こだわりがあったり、なかったりしておもしろい。こだわっている人と思われたくない気持ちはなんとなくわかる。あんまりこだわりがないと、そこにこだわりがあるのではないかと勘ぐられるので、さじ加減がむつかしい。けれど、ひとのこだわりを覗くのはおもしろい。鉛筆について言及のあるひとは、みんな2Bだった。鉛筆、つかわないなあ、2Bの芯のやわらかさ、ちょっと懐かしい気がする。えんぴつの、芯のにおい、国際線にのって、着陸だか離陸だかのときに、前後左右の誰かが緊張で汗ばんだんだろう、芯のにおいがふわっと漂って、おかしかったのを思い出す。
川本三郎のこだわりは、一人称はあくまでも「私」で「僕」は使わない。その不自由を自分に課していたが、あるときから一人称をつかわないで書くようになったらしい。

批評の対象は、あくまでも自分が好きになった映画や本にする。敬愛する作家や監督について書く。否定より肯定を批評の基本にしている。 文章の基本はあくまで「普通」でありたい。誰もが使っている普通の言葉で、誰も言わなかった普通ではないことを言う。文章の理想だと思う。

ここ、すごいしびれた。一人称を持たない川本三郎にどこまでもついていきたい感じがする。