まみ めも

つむじまがりといわれます

水の中のナイフ

図書館で、平野レミおりょうりブックを借りてきた。「ひもほうちょうもつかわない」料理を、和田唱と和田率のイラストで紹介している。たまごかけごはんにのりごはん、ナッツごはん、オープンサンドにフルーツのクリームがけ。セイちゃんに、どれがたべたい、と話すと、サンドイッチがいいなーというので、八枚切りの食パンを買ってきて、こないだの日曜の昼はサンドイッチにした。おりょうりブックでは、パンにバターをぬって、マヨネーズを重ねたうえに、レタスをのせたら野菜サンド、チーズをのせたらチーズサンド、ハムをのせたらハムサンド、とあったが、くいしんぼうのわが家は全部のせで、オープンサンドイッチではなくパンを二枚つかってはさむことにした。パンの耳をおとしてやって(おりょうりブックでは刃物はつかわないので耳つきだが、パンの耳でつくったクルトンがこどもたちの好物なので)、お皿をならべて、サニーレタスをちぎらせ、チーズとローストビーフがあったので、それを出してやり、あとは好きにやらせた。セイちゃんは全部はさんだが、フクちゃんはローストビーフを拒否し、レタスをやたらはさんでいたが、食べる段になるとばらばらの部品にもどしてかじり出し、レタスはひと口でいや気がしたのかつまみ出し、チーズとマヨネーズと耳なしパンの白一色の殺風景を、それでも満足げにかぶりついていた。今度はたまごかけごはんでも、やってみようか。

水の中のナイフ [DVD]

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ロマン・ポランスキーの二作目。湖でヨットあそびをする夫婦と、その夫婦に道ばたでピックアップされた少年との水の上での出来事。三つみた中で一番よかったと思う。刃物のもつ緊張感と若さに特有のいらだち、若さに対する年長者のいらだち。夫は少年の若さをうらやみ、自分の失われた若さを重ねて心を毛羽立たせている。若さに対する苛立ちというのは、だいたいにおいて自分の愚かさを思い出させるからたまらないというのがあると思う。この映画のおっさんは、しょうもない男で、若さに対してあからさまに苛立ち、それをあきらかな形にしてしまい、若さによってしらずしらずのうちに復讐をされているが、それにまるで気がついていないらしい。少年のナイフは肉を切るかわりに、夫婦からなにかを切り取っていった。