まみ めも

つむじまがりといわれます

高見順日記〈第1巻〉 (1965年)

一月場所の千秋楽の翌日から、毎日欠かさず千秋楽の録画したのを見続けたので、セイちゃんもフクちゃんも、千秋楽の取組と、幕内の力士をほとんど覚えてしまった。フクちゃんは、頭のなかの一体なん割がお相撲なのか、寝言でもエンドーだのハクホーだの言っている。おむつ替えも、いっときいやいやしていたが、おむつを替えるときに、おむつとは言わずにまわしを締めよう、と声をかけるようにしたら、なんとなく気持ちがのせられてうまくいくらしい。おむつを指さして、ハクホーみたい?ときいてくるので、白鵬みたいだよ、と答えてやると満更でもない顔をしている。
Twitterで、相撲記者のイチローさんが、ポスターやカレンダーの写真にうつっている手やお尻やうしろ姿から、被写体がどのお相撲さんなのかを推理していくのが、毎場所のお決まりになりつつあるが、それを読むのがとてもたのしい。毎度ながら安美錦関がオレオレ詐欺をやってイチロー記者と乳繰り合いをやっているのもたまらない。とにかくイチロー記者の相撲愛があふれてくる感じで、いいなあーとウットリしちゃう。
きょうからはじまる大阪場所、だれのおうえんする?ときいたら、フクちゃんは遠藤と白鵬、宿六は栃煌山と宝富士、セイちゃんは鶴竜稀勢の里。わたしは豪栄道と遠藤かな。初日から遠藤と鶴竜があたるので、わくわくする。

図書館本で高見順デビュー。「渡南遊記・徴用生活」と副題にある通り、南方の滞在記と、戦時中の報道班員としての従軍生活についての記録。高見順が、酒で失敗して後悔するはなからまた酒を飲んでいるので妙な親近感をおぼえる。鼻をほじりながら原稿を書く癖があったらしい。漱石先生も原稿を書きながら抜いた鼻毛を原稿用紙の余白にならべる癖があったらしいので(漱石門下の内田百けんが大事にもっていた)、鼻をいじると名文が浮かぶのかもしれない。わたしはiPhoneで日記を書いているが、鼻毛を抜いたり鼻をほじったりはしない。そんなことをしたら、名文は浮かぶかもしれないがわたしの評判は地に落ちる。わたしは名文よりは外聞のほうが大事。そのため、残念ながらこの日記には名文は登場しない。