土曜に父が泊まりにきた。前日の夜遊びが過ぎたので、二日酔いになり、リポDを飲んでなんとか歯医者と買出しをすませて台所仕事をしていたが、油脂のにおいにだんだん二日酔いがぶり返し、夕方は布団で横になっていた。なま人参のサラダにトマトにレタス、揚げたいも、味噌汁、ねぎのチヂミ、もっと作る予定でいたが、むかむかするのと、おとうさんが焼鳥の串を二十本ほど、軟骨揚げもお土産にもってきてくれたので、もういいやという気になった。食後はこどもふたり対おとうさんで相撲がはじまり、こどもたちはふたりまとめて逆さに抱えあげられ、行き場のない興奮でセイちゃんはまともに離せなくなり、しまいには泣き出した。こどもを寝かしつけて階下におりたら宿六が日本酒にウォッカで仕上がっており、ゴムボールを食卓に蹴り上げ、ひとあばれしてから居間でのめるようにして寝た。面倒なのでありったけのひざ掛け毛布をかぶせて電気を消して二階にあがったが、夜明け前にぶつぶつ酔いのにおいとひとり言をまき散らしながら布団に倒れこんでいた。
- 作者: 北山耕平,長崎訓子
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2001/07/10
- メディア: 単行本
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