実家でまんまと肥えてしまった。こどもたちも、顔がいよいよ丸い。なぜか声もでかくなった。
実家のそばにもとは釣り堀だったところを遊園地にしたのがあって、ウルトラマンスタジアムというところでウルトラマンに会えるというのででかけたときのことを、覚書しておく。うちの子たちは、ウルトラマンなんて見たことないが、セイちゃんが保育園のおもちゃで覚えてきて、誕生日も、ウルトラマンがいいというので、ウルトラマンのソフビフィギュアを買った。ウルトラマンスタジアムはゲームセンターの建物の二階にあがったところで、顔出し看板や衣装が展示してある。売店には、九谷焼の湯呑みにウルトラマンやバルタン星人が描いてあって、ちょっと欲しくなってしまった。ウルトラスクールというイベントをやるというので、ひとり510円ずつ払って、セイちゃんとフクちゃんで申し込みをした。マットの敷いてあるスペースでしばらく待つと、ウルトラ隊員の格好をした受付のお姉さんがあらわれ、ウルトラマンゼロが登場、ひとりひとりと握手して写真も撮ってくれるのだが、フクちゃんは完全にびびってしまって膝の上でしがみついていた。セイちゃんは、もじもじととてもうれしそうにした。ウルトラスクールの一時間目はボール遊びで、みんなでバランスボールを転がしたり投げたりしてじゃれあうというなかなかシュールなもので、平日の午前とあって、十人も集まらなかったので、終わりの時間がくるまでの三十分あまり、セイちゃんはたっぷりと遊んでもらっていた。わたしはウルトラマンのことをよく知らなかったが、ことばを出さずに隊員のお姉さんとコミュニケーションをとり、こどもたちともジェスチャーだけでやるので、そのけったいな一途さにうたれ、ウルトラマンが好きになってしまった。最後は、その場でひとりひとりサインを書いてもらい、セイちゃんは抱っこで写真を撮ってもらい、宇宙のパトロールにでかけるウルトラマンとバイバイをした。フクちゃんは結局膝から一度もおりなかった。セイちゃんはすっかりウルトラマンに夢中になって、寝るときにはウルトラマンのフィギュアとサインをもってベッドにあがり、YouTubeでウルトラマンの歌を流してやると、フィギュアでリズムをとってよろこんでいる。フクちゃんは、あれだけ怖がったくせに、ウルトラマンマン(ウルトラマンといえない)、かっこよかったねえ〜、といって、よろこんで歌をきいている。
- 作者: 池内紀
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とたんに虚空に浮いて、からだ全体に安らかなような、不安なような、こそばゆいようなみち足りたような、待ち遠しいような全部を一つに合わしたような不思議な感覚がこみあげてくる。
温泉でも銭湯でもいい、ぶらりとお湯に浸かって、湯上りにビールでもくいっとやりたい。