まみ めも

つむじまがりといわれます

廃市

慣らし保育がはじまって、水曜ははじめて給食をたべて帰ってきた。セイちゃんは大盛にしてね、とオーダーをし、フクちゃんも、なんでもたべるよ、と宣言してふたりともよく食べた模様。わたしはこどもたちのいない隙に近所の歯医者でとれてしまった詰め物を治してもらった。帰ってからおかあさんとふたりでおそ昼、煮豆と煮魚をつついていたら、奥の和室で遊んでいたふたりがやってきて、ごはんたべる、と言い出し、給食をしてきたといううえに煮豆に煮魚にごはんを一杯おなかに収めてまた遊びだした。昼寝すると胃もたれがしんどいので、こどもたちと夕飯のおかずにかぼちゃサラダを作り、3時のおやつはたこ焼きをやいたら、ふたりとも10個ずつたべた。夕飯はふくらぎの刺身だったが、妊娠中は生魚がとことんおいしくない。目にはおいしいのに食べるといつもがっかりしてしまうので、トマトばかりたべた。水っぽいものがやたらおいしい。

産休初日、ずっしりしっとりしたものを読みたくなり、本棚から福永武彦の全集を選ぶ。いとこが富山で買った古い家からでてきた蔵書をそっくり譲ってもらったもの。ちょうど池内紀「日本すみずみ紀行」を読んだあとだったので、福永武彦「廃市」を読むことにして鞄にいれてでかけ、京浜東北線の車内、待ち合わせの東京駅のカフェでアイスカフェオレを飲みながら。久しぶりの福永武彦、ひとつひとつの描写のなにげない丁寧さと暗さと清さにうっとりする。期待通りの破綻。ひとの出入りの多いカフェのすみっこで何十年ぶりにひらかれたであろうページの中の世界を堪能して余韻をやり過ごしたところでちょうど待ち合わせの時間だった。