まみ めも

つむじまがりといわれます

街のはなし

土曜の午後に妹がきてひと晩泊まっていった。夜はご馳走を用意する。玉ねぎとツナのポテトサラダだけは前日に作っておき、ピーマンとじゃがいもと玉ねぎとサラミのスパニッシュオムレツ、実家から送ってきた立派な椎茸があったので肉詰めにして(椎茸が苦手なこどもたちには肉詰めにしないでたねに椎茸のはいったハンバーグにした)、ラザニア、スティックサラダ(キャベツ、大根、人参、きゅうりを味噌マヨネーズにつけて食べる)を用意した。ぶどうジュースとビールと酎ハイで乾杯。ふだん晩酌をしないので、九時にはねむったくなってしまい、こどもを宿六にまかせて二階にあがらせてもらってひと眠り。十二時前に起きだしてまた少しお酒を飲んで、二時ごろ布団に入った。
翌朝は八時に炊飯器をセットしておいて、炊きたてのごはんでおむすびを作った。昆布やおかかの入った母のふりかけと、友達がくれた梅干し、ふりかけ(のりたまとカレー味)、全部で15個になった。あとはタッパーに皮ごと食べられる種なしのぶどうを詰めて、ファミリーマートでから揚げとコロッケとお茶を買っていく。公園でどんぐり拾いやサッカー遊びをして、十二時の音楽噴水にあわせて特等席にシートを広げてお弁当にした。おむすびは12個半なくなった。ぶどうは完売。それからすべり台や砂遊びをしてから帰宅。武田百合子の花見弁当、「お弁当箱に御飯をつめ、卵焼ととりのから揚げを作り、」「松屋で、四種類の精進揚げと魚フライと缶ビールを買い足す」この手軽さに憧れていたけれど、うちも簡便さの点ではなかなか。

街のはなし

街のはなし

ブックオフ和田誠のイラストに呼ばれて購入、105円。吉村昭といえば、いとこのTちゃんと二十歳になるかならんかのころにタイに遊びにいったときに、空港の本屋で、なにか一冊分厚い文庫を旅のおともにと思って「破獄」を買ったら、頁がことごとく文字で埋まり重苦しいのにとにかく面白くて読みふけったのを思い出す。「街のはなし」は市井の出来事についてのエッセイだが、女性誌に連載していたというのが意外。電車にのって、車両連結部のドアを開けっぱなしにしていくお嬢さんにむかって、家のなかはぐじゃぐじゃだろうし、果ては空き巣にやられるだろう、こんな人をお嫁さんにもらった相手は…なんていうようなとるに足りないようなことが色々書いてある。こんな細かいことを気にする人だったのかという気もするし、小説を読んでいるとたしかにディテールを気にした人なんだろうなという気もする。奥さんの津村節子さんと講演ついでに出かけた先で財布を忘れたことに気づいて、新幹線の払い戻しや手持ちのお金でやりくりし、講演料でなんとかまかなうのだが、別行動になった奥さんは手持ちが千円もないのに帰りの電車でコーヒーを飲んで、帰ったときには三百円ほどしかお金がなかった、女はすごい、と締めくくっていて、吉村昭も普通のおじさんだったのだなと思った。