木曜の午後、セイちゃんが39.2度の熱を出しているというのであわてて迎えに行く。カーテンを閉めて昼寝中だったのを、セイちゃんもフクちゃんも起こしてもらい、体重制限オーバーのバギーにセイちゃんをすわらせ、フクちゃんには歩いてもらって帰る。フクちゃんが、だっこして、と甘えるので、最後はバギーを押しながら荷物をかかえてフクちゃんをおぶってよたよたと家に着いた。翌朝は平熱だったが、朝一番の病院にいった帰り道で頭が痛いと泣くのをおぶって帰り、家にいることにした。10時におなかがすいたというのできつねうどんと肉まんをあたためて食べ、薬を飲ませたら、そのまま4時近くまで5時間こんこんとねむって、やっぱり38.8度まで熱がでた。連休は山中湖にいく予定だったのをキャンセルし、土曜も家で過ごす。一日中雨がふったりやんだりして、やっぱり昼寝どきに37.7度まであがった。フクちゃんも咳と鼻水がでているし、宿六も喉を痛めてしんどそうにしている。わたしだけは元気なので、ひとりで図書館とおつかいをすませて、夜はDVDをみながらアイスクリームをなめたりしていたが、深更になってトイレにはいったらみるみる汗が噴き出て、吐いてくだしてしまった。汗がぽたぽたたれてぐっしょり、ねずみ色のパジャマが濡れねずみ色になった。一時間ほどどうしようもなかったが、なんとかふとんにもぐって、そのまま冷えるからだをこどもたちに温めてもらって朝まで気を失ったようにねむった。翌朝、白湯とフルーツとヨーグルトをたべたら、痛みが間欠的にやってくるので、結局ふとんに寝そべって、どうにもならなかった。お昼は素ラーメンをつくってもらい、あたたかいのを啜ったらやっと小康を得て、夜はなんとか味噌汁でねこまんまを一杯、こどもたちと9時に就寝。
- 作者: 江国滋
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1984/12
- メディア: 文庫
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昭和四十五年十月から四十七年九月までの、これは旅の記録である。記録といえば何やら仔細ありげだが、なに、実質は旅の落書にすぎない
タイトルはいうのも野暮だが阿房列車にちなんでいる。江國滋はとことん内田百間を崇拝していたらしい。連載の途中で百間先生の訃報がはいって、愕然としている。でも、おなじ時代に生きたというだけでもうらやましい。百間先生みたいな糞じじいが地続きの日本にいるというのは、その実感だけでも愉快だっただろうな。百間先生が恋しがりながら敢えて踏まなかった岡山のふるさとの地を江國滋が一枚の絵地図にまとめていて、これだけでも本当に読んでよかったという気持ちになる思いのこもった一葉の地図だった。ほかには、とにかく米がおいしいという熊本(遠藤周作がチェックインまぎわの空港で町に戻って米を買ってこようと駄々をこねたらしい)と、「とるにたりないことがらの、一つ一つが悉く主題になり得る」という松江にでかけたくなった。