憂鬱なはずの月曜日が待ち遠しかったのは、8日から日暮れが遅くなって、夕方の時間が長くなるからだった。夕焼けの空は好きだけれど、どうしたって夕暮れは陰圧なところがあって、ふとすると心をもっていかれてしまう。冬至はまだなので、これからは日の出が遅くなるわけだけれど、朝にはこれからの感じがあるので、大丈夫、日暮れは暗くなるばっかりでいけない。ここのところは夕方になると1日の疲れがドッと出て、家のトイレでえづいたりおなかを下したりするので、余計に夜はいけない。
鴨居羊子だってこう言っている。
私は朝が大好きだ。暗い夜中に、ふとんの中で目覚めると、ろくなことは考えない。もう世も終わりだと、ゆく末、こし方、つらつら思いめぐらせて、真っ暗けの想念にしばられる。まわりが暗いからだ。するとカーテンの隙間から、夜明けの赤い陽がしのびより、次第に体が、あたたかい朝につつまれだすと、暗い想念は一転して明るい天使のさえずりとなる。
そんなわけで、12月8日を過ぎてしまえばしめたもので、こないだ霜が降りていよいよ冬だと思ったばかりなのに、もう春が来るような気がしてうきうきしてしまう。
- 作者: 群ようこ
- 出版社/メーカー: 集英社
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