まみ めも

つむじまがりといわれます

フラニーとズーイ

日曜は二週連続で休日出勤だった。朝はやくに家を出て、仕事を終えたあとで乗り換え駅でお父さんお母さんに贈る誕生日のお祝いを選び、最寄駅について買い物を済ませてから帰るとちょうどお昼で、歩き回って疲れてしまい、お昼は宿六にしたくしてもらった。肉まんとコロッケ。夜はセイちゃんのリクエストでおでんを煮た。ひらがなを読めるようになったセイちゃんが、コンビニののぼりの「つゆだくおでん」の文字をみて、おでんを食べたいとしきりに言うのだった。大根とゆで卵、こんにゃく、ちくわ、ちくわぶ、餅入り巾着にはんぺん。鍋にたっぷり作ったが、あっという間に底が見えるようになって、セイちゃんが明日も食べたいというので、具をいくつか足して二日連続でおでんにした。わたしはなんとなくおでんが口に合わずひとりで白菜と豚肉の蒸したのにくずきりを入れてポン酢で食べた。

フラニーとズーイ (新潮文庫)

フラニーとズーイ (新潮文庫)

鎌倉の山の家から借りてきた村上春樹訳のフラニーとズーイ。そもそもサリンジャーをはじめて読んだのが34歳の春のナイン・ストーリーズで、松浦弥太郎が「初恋の頃に読みたかった」と書いていたのがきっかけだった。初恋がどれだかも覚えが危うくなってから読んだので、サリンジャーには完全に周回遅れだったが、フラニーとズーイも、やっぱりせめても少し前に出会っておくべきだった。裏切られたように展開する宗教対話が、アンデルセンの錫の兵隊みたいにハートに結実する。
ラニーが、母親からなぜ結婚しないのかきかれたときの答えは覚えておきたい。
「僕は列車に乗って旅行をするのがとても好きなんだ。結婚すると窓際の席に座れなくなってしまう」