クリスマスの日、保育園からの帰り道の遊歩道の先に、いつも会う仕事帰りのおねえちゃんが見えて、セイちゃん、つづいてフクちゃんが、なつみちゃーん!!と叫んでとびついていった(セイちゃんが、あるとき、おなまえは?ときいて名前を教えてもらった)。ふたりとも抱きしめてくれたあとで、LOFTの黄色い袋から箱をふたつ出して、プレゼントだよ、とふたりにひとつずつくれた。セイちゃん、すごくウレシイ、だいじにするね、といっていたが、おかしだからたべてね、とやさしく言ってくれた。さよならしたあとで、なにかお返しをしよう、と話していたら、セイちゃん、いいものがあるんだ、ハートの石をあげる、という。しばらく前に、保育園の園庭でみつけた、ハートの形にくぼみのある細長の石を、ポケットにいれて持ち帰り、たいじにして、資生堂のクッキーのはいっていた宝物いれの缶にとっといてある。セイちゃんがとても気に入っているもの。それぐらいうれしかったんだな、とわたしまでなにか贈られたようにうれしくなった。
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「豹」リルケ
鉄柵の間から、外を眺め続けたあまり
彼の目は力を失い、
世界は無数の鉄柵となって
その向こうの世界は失われた。小さい輪を描いてグルグルと堅い足取りは
踊りの儀式のように、
麻痺した意志の周囲を廻る。時折、瞳のとばりが音も無く上がり形を捕らえ、
それは緊張した無言の肩から心臓に伝わり
息絶える。
コーヒー一杯誘うのに東京ドーム一杯ぶんくらいの勇気を使っている不器用な先生像はおそらくフィクションだけれど、ロビン・ウィリアムズにぴったりの役どころだった。