まみ めも

つむじまがりといわれます

文士の好物

土曜はお客があり、おそ昼をたのしんだ。前日に鶏ひき肉とレーズンを味噌味でこねたパテを焼いて冷やしておいたのと、あとは、鍋いっぱいに煮込んだミートソースがあったので、ホワイトソースを作りラザニアを焼いて、スペイン風オムレツ、コブサラダ。コブサラダは、ひよこ豆とツナとコーンの缶詰をあけて、ゆで卵、ブロッコリー、レタス、プチトマトを並べるだけの簡単なもの。友だちが焼豚にローストビーフ、フロレスタのドーナツを買ってきてくれ、ご馳走になった。ラザニアは、水分が多く、どろどろになってしまった。ラザニアなんて失敗のしようがなさそうな料理でやらかすのだから、やっぱり料理の才能はないのだな。夜は昼がご馳走だったので焼きそばで簡単にすまし、日曜の昼は残った焼きそばを食パンにはさんで焼きそばパンにして食べた。きのうは残りのミートソースに具を足してカレーライス。
ここ一週間ほど、風邪が長引いて疲れているのか、地震で揺れているようなグラリとしためまいを感じることがある。

座談集 文士の好物

座談集 文士の好物

新着資料から予約しておいたト本。アガワさん、亡くなる前日にはローストビーフを3枚平らげて「次はステーキが食いたい」といった由。

沢木耕太郎と「旅」を、井上ひさし小森陽一と「志賀直哉」を、開高健と「食」を…。恰好の相手を得て、会話は闊達自在に展がり、やがて時が豪奢に満ちる。阿川弘之の座談集。娘・佐和子に語った「擱筆の弁」を附す。
1 贅沢な旅 沢木 耕太郎/述
2 鉄道閑話 「日本鉄道旅行地図帳」編集部/述
3 “やさしい”国語教科書が日本語を滅ぼす 齋藤 孝/述
4 ああ好食大論争 開高 健/述
5 ひじきの二度めし 向田 邦子/述
6 『高松宮日記』あの日あの時 高松宮 喜久子/述
7 志賀直哉 井上 ひさし/述 小森 陽一/述
8 擱筆の弁 阿川 佐和子/述

「ひじきの二度めし」は再読。師事していた志賀直哉に関する井上ひさし小森陽一との対談は読みごたえがあった。ムシャさんとの対比で、志賀直哉は内向性、リアリズムの道が極まった、に対して、武者小路実篤は向日性、楽天性の道が極まった、というのは、ものすごく腑に落ちた。志賀直哉は、文章を描くときには見えすぎるほど見えているものを描写していたという。だから文章から景色が立ち上がってくるらしい。志賀直哉のユーモアについて、小森陽一は「実際の状況としては、かなり悲惨であったり、ぎりぎり追い詰められたりしている。けれども、その経験を、自分を救いながら、同時に他人をも救うような言葉で表現したときにユーモアとして結実する」上質なユーモアだとし、井上ひさしは「書き手の中で終わっていない、完結していない。書き手は世界を提示する。それを読者が引き受ける。この受け渡しの際にユーモアが発生する」とべた褒めしていて、志賀直哉をしばらく読まないけれど、読みたくなった。