まみ めも

つむじまがりといわれます

冬の本

いきなり冬の扉があいたような日。ふとんにもぐりこむときひやりとして体をちぢこませる。そろそろニトリの化学繊維がパチパチする毛布が必要かもしれない。夕飯はあまっていた焼きそばでそばめし。寒いのであたたかいスープを飲みたくなり、玉ねぎとキャベツ、じゃがいも、ひよこ豆にサラミをコンソメで煮た。秋口からチョコレートがおいしくて、カカオの多いチョコレートを齧っていたら、久しぶりにこめかみのあたりに吹き出物。カカオ70%ではでないが、85%では吹き出るらしい。グラリとくるめまいはいつのまにか止んだ。

ト本。あいうえお順にならんだ見開き2頁の冬の本のエピソードたち。読みたい本のリストがずるずる長くなる。冬の間に読めるかな?

冬に読んだ本、冬になると思い出す本、まるで冬のような本…。エッセイストや書店員、コラムニストら84人が、「冬の本」という1つの言葉をめぐって、そこから発想できることを自由に綴る。

1 幾度となく遠い昔の冬へ 青山 南/著
2 春夢君をたずねて水東を過ぐ 秋葉 直哉/著
3 霧のなかの図書館で 淺野 卓夫/著
4 私の一冊 天野 祐吉/著
5 城下町での遭遇と夕焼け 安西 水丸/著
6 偏食読書家の冬の本 いがらし みきお/著
7 感覚の比率 池内 紀/著
8 私の上に降る雪は 池内 了/著
9 雪人間 できそこないver. 石川 美南/著
10 お冬、あるいはその身の不幸 井嶋 ナギ/著
11 『アンの友達』と『アンをめぐる人々』 伊藤 比呂美/著
12 八雲 伊藤 礼/著
13 厳寒の地での不条理な関係に引き込まれる 井上 理津子/著
14 歩く人 岩瀬 成子/著
15 本を閉じると 上原 隆/著
16 海の向こうの雪 宇田 智子/著
17 冬の音 内堀 弘/著
18 年末の虎刈り 大竹 昭子/著
19 温かい冬 大竹 聡/著
20 おでん待つ間に 大谷 能生/著
21 長い冬 岡尾 美代子/著
22 冬の夜のカルテット 岡崎 武志/著
23 冬眠居にて 荻原 魚雷/著
24 冬の光 角田 光代/著
25 ほかの季節に遊ぶ楽しさ 片岡 義男/著
26 籠もる 木内 昇/著
27 “愛する”ということ 北沢 夏音/著
28 冬の日 北沢 街子/著
29 舞踏会の手帖 北村 薫/著
30 小さな町にて 北村 知之/著
31 冬のこもり読み 久住 昌之/著
32 真っ白な。 越川 道夫/著
33 指揮者ヘルベルト・フォン・カラヤンは。 小西 康陽/著
34 冬、春、冬 小林 エリカ/著
35 窓の外の、まだ見ぬあの地を 近藤 雄生/著
36 手あぶりしながら… 佐伯 一麦/著
37 マラマッドの冬 柴田 元幸/著
38 誕生 杉江 由次/著
39 冬のミクロ 杉田 比呂美/著
40 冬の本 鈴木 慶一/著
41 一人称事件 鈴木 卓爾/著
42 雪 鈴木 理策/著
43 うつくしいものたち 曽我部 恵一/著
44 記憶の公園 高橋 靖子/著
45 ソーネチカ 高山 なおみ/著
46 ユキムシホー 田口 史人/著
47 夢野久作「氷の涯」 竹熊 健太郎/著
48 一句 武田 花/著
49 おかえり 田尻 久子/著
50 竊書 田中 美穂/著
51 根雪がとけるように 丹治 史彦/著
52 門松とクリスマスツリー 友部 正人/著
53 関口良雄の葉書 直枝 政広/著
54 ゆきを描く 長崎 訓子/著
55 見知らぬ本が降ってくる日 名久井 直子/著
56 一年じゅう冬の国と死 能町 みね子/著
57 みどり色の本 橋口 幸子/著
58 重さの記憶 蜂飼 耳/著
59 獲物哲学 服部 文祥/著
60 ともだち 浜田 真理子/著
61 冬の本 早川 義夫/著
62 危険な白 平田 俊子/著
63 甘い猛毒の食虫花 平松 洋子/著
64 真冬の献血車 文月 悠光/著
65 少女の頭の中に閉じ込められる 穂村 弘/著
66 オイルド・コットン・ジャケット 堀込 高樹/著
67 冬のピアノソナタ 堀部 篤史/著
68 冬の予兆 ホンマ タカシ/著
69 片山令子『雪とケーキ』 前野 健太/著
70 どんぐり 万城目 学/著
71 なにもない冬 又吉 直樹/著
72 冬ごころ 町田 康/著
73 A Book of Winter 松浦 寿輝/著
74 冬と安吾 南 博/著
75 本が家に一冊もなかった 森山 裕之/著
76 ゆきおんな、くもおとこ。 安田 謙一/著
77 マゾヒスト、サディスト、異形の愛。 柳下 美恵/著
78 冬眠への憧れ 山崎 ナオコーラ/著
79 冬の大人と子ども 山下 賢二/著
80 シオラン 山田 太一/著
81 冬になると読みたくなる『暗夜行路』 山本 善行/著
82 再生の使者 吉澤 美香/著
83 すべての本は冬のためにある。 吉田 篤弘/著
84 『海炭市叙景』が旅の原点。 吉本 由美/著

曽我部恵一の冬の本はリチャード・ブローディガン「愛のゆくえ」で、なんだかやられてしまうセレクト。冬の本を選ぶとしたら、ソルジェニーツィンかフィリップをふとんにくるまって読みたい。表紙は和田誠、持っている本のタイトルは「WINTER WONDERLAND」。北陸育ちの身には、湿度の多い雪の中を本を読みながら歩いたら、本がべちょべちょになってしまう気がしてこの読み方はやれないなと思う。