まみ めも

つむじまがりといわれます

私は二歳

湯舟で、釣りのおもちゃの竿にひもをぐるぐるに巻きつけたセイちゃんが、まほうでほどくよ、といって、こちらが目をつむっているうちにせっせと解いている。目をひらいて、わあすごいどうやってやるの、と驚いてみせると、ベリジャムベリジャムってひゃっかいいうんだよ、と教えてくれた。ベリジャムとは、ときくと、セイちゃんの心のなかに大きな街があって、そこで男の人と女の人がこどもを取り合ってたたかっている、それを見かねてやめなさいと仲裁にはいった神さまの名前が、ベリジャムなのらしい。ちえがあって、たくましい、神さまだという。ベリジャムとひゃっかい唱えると願いが叶うらしい。ベリジャムベリジャムベリジャムベリジャム…ベリジャムのおかげか知らないが、フーちゃんの保育園が無事に第一希望に決まった。布団にもぐりこんで、セイちゃんに、さっきの神さまのなまえなんだっけ?ときいたら、全然違う名前をいう。そんなだったっけとまぜっ返すと、わすれちゃった、だって。神さまには名前なんていらないのかもしれないな。

私は二歳 [DVD]

私は二歳 [DVD]

プレミアムシネマの録画。

松田道雄の『私は赤ちゃん』『私は二歳』を、和田夏十が脚色し市川崑が監督した。乳幼児の目線で、育児に翻弄される家族の姿をユーモラスに描いた。子供のイメージをアニメやコマ撮りで表現している点にも注目。都内の団地に住むサラリーマンの小川五郎とその妻千代。二人の間に一人息子が生まれ、太郎と名付けられる。太郎は両親の愛情をたっぷり受けて、すくすくと育っていく。やがて三人は郊外へ引っ越すことになり、祖母と同居することになった。

1962年。山本富士子船越英二が若夫婦役。太郎の声は中村メイコ。ことばをもたないこどもに翻弄されるおとなたち。半世紀すぎてもみんな同じことをやっておる。ターちゃんが、ばななのおつきさま、というシーンは本当にかわいらしい。