まみ めも

つむじまがりといわれます

人生パンク道場

あたらしい暮らしにも少しずつ体がなじんできて、夜はときどき起きていられるようになった。通勤の駅のホームや電車の中、サンドイッチでお昼をすませたあとの休憩時間に本をぺらぺらと読めるのがなによりうれしい。週末のお昼にサンドイッチを作るつもりで買っておいた食パンが余っているので、今週のお昼はずっとサンドイッチ。コールドミートとレタス、チーズをトーストで挟んだものを、前の日の晩にこしらえて冷蔵庫にいれておく。はじめのうちは半分にカットしていたけれど、それもしないでまるのままラップにくるんでいる。食後にインスタントのコーヒーをすすりながら週末の図書館で借りた庄野潤三を読んでいる。ほかには東海林さだお和田誠を借りた。

人生パンク道場

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ト本。

老若男女25人の仕事や恋、人に言えない悩みなどを、町田康がパンクな答えで斬りまくる! 次元を超えた角度からのアドバイスで、問題解決間違いなし! 『本の旅人』連載に書き下ろしを加えて単行本化。

「英語の読み書きができず、楽器もちゃんと弾けないし、大酒を飲んで、女性にもてない。草花を栽培すれば枯らすし、棚を吊れば落ちる。ファッションセンス皆無なうえ、地獄の味覚音痴で、すきま風の吹くあばら屋に住んでいる」町田康が「脳漿を絞って」人生の道案内をしてくれる。「迷いながらの頼りない道案内であったが、しっかりと握った手だけは離さなかった」とある通り、一見ふざけているのに、どこかしら力強く、胸に迫るところがあって、正解はないけれども安心をくれる。
「人の一生というものはおもしろおかしいものではなく、そもそも遣り切れないものである。生きるということは苦しいことである」
生きていくことのしんどさをきっちりと見つめて、それでもやっぱり生きているって悪くないなと思わせてくれるあたたかさが、町田康のてのひらにはある。