秋めいてくるとチョコレートがおいしい。一番好きなチョコレートはガーナリップルで、18歳のときに大学の購買部でみつけてから好きなのでもう15年以上好きでいるんだからどんな男より長続きしている。といっても出会ったころはいまとは名前がちがって、ガーナプリティという名前だった。そのもっと前はマリブのさざ波といったらしい。いまはすこしつぶれたハートの形をしているけれども前はリボンを結んだひと筆書きの形だった。冷蔵庫にいれて冷やしておいて、パキッと噛み砕くちょっとした硬さが心地よくて、これは板チョコにはない軽さだと思う。武蔵浦和のロッテの工場のあたりはチョコレートのにおいがするらしい。チョコレートのにおいの町だなんて、憧れてしまうけれど、なんだかニキビができそうだ。
モモ 時間どろぼうとぬすまれた時間を人間にかえしてくれた女の子のふしぎな物語
- 作者: ミヒャエルエンデ,大島かおり
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 1976/09/24
- メディア: 単行本
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どこからやってきたかわからない少女モモは、やさしい心の持ち主だった。ところが灰色の男たちが現れて人間の時間を盗み始めた。人間は寸暇を惜しんで働くばかりで心の暖かさを失う。モモは時間泥棒に挑戦した。
さすがに名作なだけあって珠玉の「おはなし」だった。こころの中に、この世でもっとも尊く美しい花がどんどん咲いては散っていく。はかない美しさが、ことばで本のなかに閉じこめられている。「はてしない物語」も映画でしか知らない、そのうち読まなきゃと思う。