まみ めも

つむじまがりといわれます

鳥肌が

乗り換え駅のコンコースの柱に、ファッションブランドのポスターが貼ってあって、坂口健太郎がうつっている。坂口健太郎とと姉ちゃんの星野くんの頼りない感じがよかった、ポスターの坂口健太郎はポケットに手なんか突っ込んじゃって、こちらを見下ろしていて、ちょっと堂々としていてつまらない、と思っていたら、いつのまにか写真が変わって、頼りない風情になったのでよかった。しばらく前は松山ケンイチがよかったけど、いつのまにか頼りなくなくなってがっかりした。頼りないままでいてくれるのは草野マサムネだけかもしれない。いつまでもカメラの前で目が泳いでいてほしいし、高音では声が震えていてほしい。

鳥肌が

鳥肌が

ト。

日常の中でふと覚える違和感、現実の中に時折そっと顔を覗かせる「ズレ」、自分が信用できなくなる瞬間…。恐怖と笑いが紙一重で同居するエッセイ。『PHPスペシャル』連載他を単行本化。 

表紙にさぶいぼつき、スピンはショッキングピンクで落ち武者の髪のように解けている。穂村弘に共感するのは他者に対する得体の知れなさに感じるおそろしさで、知らない人とほがらかに接することがなかなかできない。この間も電車で席を譲ろうとしたおじいさんの話がどんどん辻褄が合わなくなり、ふと気づくと持っている手提げはぼろぼろでセロテープをべたべたに貼って補強してあり、さらによく見ると指の怪我にも絆創膏ではなくセロテープが巻いてあった。セロテープなので傷口がよく見えた。あとあとでギャンブル帰りの酔っぱらいであったことがなんとなくわかってきたけれど、こういうときの処し方というものを知りたい。