週末はセイちゃんの小学校の運動会だった。早起きして家族5人分の弁当をこさえる。おかずはもも肉のからあげとゆで卵に枝豆、ブロッコリー、たらこ味のショートパスタにプチトマト。前日の夜に新米が届いたので、炊きたてをおにぎりにした。新米のおねばが鍋の中にピカーと光って、世界を祝福しているような輝きなのだった。運動会は、全校生徒が千人をこえるので大変な人出で、なんとかトラックの中のセイちゃんをみつけるのに精いっぱいだった。セイちゃんもこちらに気がついてお尻をふりながらニコニコぴかぴかと笑っておった。
- 作者: 沢野ひとし
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1999/04
- メディア: 単行本
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犬を連れて近所を散歩、しんどい事もあるけれど大好きな山に登り、カントリー・バンド仲間と八戸で大騒ぎ。一年365日、ふらふら歩き回っては素敵な景色や人を描き続ける、旅する不良中年の想い出の絵日記。
沢野ひとしや安西水丸の絵のタッチにはなんとなく不安になるところがあって、それが旅の心もとなさのような旅情を感じさせる。沢野ひとしも目黒考二も好きなように生きているように見えて、その好きなものに一抹のうしろめたさを抱いているような根暗な感じが好ましい。