まみ めも

つむじまがりといわれます

ガン入院オロオロ日記

水曜の帰り際にセイちゃんが熱をだしたという知らせがはいり、ざあざあ降る雨のなかを迎えにいく。部屋の隅っこで寝ていたぼんやりまなこのセイちゃんのかわりにランドセルを背負い、フーちゃんの荷物と自分のかばんを左右にたすき掛けにして、傘をさし、家について玄関の姿見に映る姿をみたら、どこへ疎開するのかという風情だった。圧力鍋でおかゆを炊き、帰ってきた宿氏とバトンタッチして会社の送迎会にいく。セイちゃんはそれでも、たのしんできてね、というのだった。酔っぱらって帰るとセイちゃんが吐いて汚したシーツをがんがんに洗っている人がおり、いたたまれないのでさっさと寝た。それから3日、セイちゃんの熱はさがらない。小学校の遠足も、フクちゃんとフーちゃんの運動会もいけなくてしょんぼりしている。こちらもここしばらくたいへんにくすぶっている仕事のことを思い出すと滅入るので、考えないように、とことんつきあってやるつもりでいる。今日は刻んだ野菜をたっぷり入れたクッパを煮た。どんまいセイちゃん。

ガン入院オロオロ日記

ガン入院オロオロ日記

ト。

40日間にわたる人生初のガン入院から、「オリンピック撲滅派宣言」まで。ますます冴え渡るショージ節、ここにきわまる! 新井平伊、岸本佐知子との対談、南伸坊伊藤理佐との座談会も収録。『オール讀物』連載を単行本化。 

いやいや、東海林さだおたいしてオロオロしてないぞと思いながら楽しませてもらう。東海林さだおはなんかいろいろ細かいことをくよくよ考えているようで、その実めちゃめちゃメタ視点に立っているので、安心して読んでいられる。東海林さだおを読んでいたら、実験がたったひと月ばかりうまくいかないでモヤモヤしているのがアホらしくなる、しかし、うまくいかない。