髪をきったのは、本当のことをいうと、おとうさんが短い髪をほめてくれるからで、そういえば、わたしが親に一番ほめられたのはショートカットが似合うということかもしれない。これから先、もうずっとショートカットでいたいなという気持ち。洋服のことを考えるのが急にめんどうになり、ワンピースを二着、買った。夏のワンピースは何着かあるけれど、どんなに気に入っていても、ポケットのないものは着ないことがわかったので、両わきにポケットのあるものを、色違いで、二着。だぼだぼとして装飾性のないところが気に入っている。本当はこのワンピースを色違いであといくつか買って、とにかく順番に着ておけばいいのではないかと思う。ひょっとしたら本当にそうするかもしれない。いまは自分の洋服のことを考えるのが煩わしい。
- 作者: 村上春樹
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/03/31
- メディア: 単行本
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村上春樹全作品の第二期。第三巻は短編集。名作「神の子どもたちはみな踊る」「レキシントンの幽霊」など、全篇加筆訂正して刊行。書き下ろしの「蜂蜜パイ」、著者による解題も収録。
レキシントンの幽霊 p11-30
緑色の獣 p31-38
氷男 p39-54
七番目の男 p55-76
めくらやなぎと、眠る女 p77-104
UFOが釧路に降りる p105-128
アイロンのある風景 p129-150
神の子どもたちはみな踊る p151-172
タイランド p173-196
かえるくん、東京を救う p197-222
蜂蜜パイ p223-256
このごろ村上春樹の作品を読み進めているのだけれど、自分の人生にとって重大なことが起きているいま、村上春樹は読めないということがわかった。どうしてなのかはわからない。しばらくは村上春樹のない世界でやっていくしかない。