まみ めも

つむじまがりといわれます

湖畔の愛

この夏はじめてのスイカバーをかじる。季節感の乏しいなりにじぶん歳時記があって、スイカバーをやらないことには夏を閉じられない。あとはやっぱりがんがんの暑さの中でサマーソルジャーだけは聴く。それは天気のせいさだし、それから先はヘイヘイヘイだし、そうでもなければやっていけないのがほんとうの夏。

湖畔の愛

湖畔の愛

ト。

龍神が棲むという湖のほとりには、今日も一面、霧が立ちこめる。創業100年を迎えた九界湖ホテルは、笑いと愛のニルバーナ! 天変地異を呼ぶ笑劇恋愛小説。全3編を収録。『新潮』掲載を単行本化。
湖畔 p5-38
雨女 p39-127 
湖畔の愛 p128-252 

自分のルーツにあたる父と母の苦悩をまのあたりにして、取り返しのつかないことが起こってしまい、できることのつたなさが本当にしんどい。わたしは父と母の苦悩をそのまま味わうことができないし、そういうわたしのしんどさをまた、誰とも分け合うことはできないのだという、そういう切実な思いに類する感情を、町田康はとことん滑稽におとしこんでくれて、それはしんどさの底で見えてくるやさしさかもしれん。