この夏にきいた話で一番印象が深かったのは、大学の後輩が仕事から帰ったら妻子が荷物とともにさっぱりいなくなっていたというもの。彼自身の身に覚えがあるとしたら、その前日、風邪をひいた娘さんにうどんを鍋から食べさせていたのを、「せめてお椀にうつしなよ」といったことらしい。このエピソードに満ちる生活感がものすごい。人間の気持ちを決壊させる決定的な一滴がその発言だったんだ、そこに至るまでの日々のさまざまに思いをいたし、彼女も彼もわたしだと感じてしまう。
- 作者: 横尾忠則
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 1997/01/01
- メディア: 文庫
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見えるものと見えないもの 栗本 慎一郎
夢は霊感の源泉 河合 隼雄
宇宙と狂気と愛 荒俣 宏
ヴィジョンの降臨 草間 弥生
芸術家は畸人たれ 梅原 猛
想念の池にて遊ばむ 島田 雅彦
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芸術は真摯な遊び 黒沢 明
これまでわたしがスピリチュアルの才能とよんでいたことを、「直観野郎」と表現していて的確さにわらってしまった。横尾忠則の直観野郎ぶりには憧れてしまう、地平のずっと先までいってほしい。わたしにも直観の才能があったなら。アウラもUFOもみえないまま、なんの直観にもうたれずに淡々と油揚げを煮る月曜日。