まみ めも

つむじまがりといわれます

あのころ

冷えるようになってきたので、一年ぶりに革のブーツをはく。去年の冬に買って、はじめは靴ずれしたけれどそのうち馴染むようになり、革のあたたかさが気に入っていた。と思っていたのに、右あしのこゆびがこすれてやっぱり靴ずれになってしまった。一年ほったらかしだったもん、そりゃ忘れちゃうよね、またこのフォルムを思い出しておくれ。

あのころ (集英社文庫)

あのころ (集英社文庫)

ト。

てきやの話術につられ、つい買ってしまった「まほうカード」のカラクリ。毎年八月二十九日から家族総出で始まる、夏休みの宿題との格闘。親友たまちゃんが自宅の庭で見かけた幻の生物・ツチノコの捕獲騒動。「まる子」だったあの頃をふりかえる、懐かしさいっぱいの爆笑エッセイシリーズ第一弾、待望の文庫化。巻末には最近のももこさんがよく分かるQ&A集を収録。

こんなふうに「あのころ」を鮮やかに胸に留めているひとがいることに驚く。ほとんど「あのころ」のことは覚えていない。あのころに限らず、このごろのこともあやふやになっていたりする。でも、こうやって誰かのおはなしからノスタルジーは提供されるのだし、なにも留めていられないことに対する不安とさみしさはあるけれど、留めておけるのはつまりそのものではなく記憶なのだから、いまいまいまで生きていくしかないのかなという気もする。いってるそばからいまはあのころになる。