まみ めも

つむじまがりといわれます

キャベツ炒めに捧ぐ

いなかから届いた新米がなくなるのを惜しんで、休みのお昼に炊きたてのごはんをおむすびにする。てのひらが真っ赤になるのを水で濡らしてごまかしながら、塩を振って、ひとりにふたつずつ。並んだ姿がいとおしくて写真を撮る。たべるときに海苔を巻いて頬張る。胸が高鳴る。

先週末の雨で金木犀の花が落ちて、秋のはじまりが終わったと思っていたけれど、久しぶりに日が届いた日曜の午後、少しだけにおいが街に流れていた。

げんちゃんが一歩を踏み出した。そろりそろりと慎重にすすんで、みんなに囃されてうれしそうに手を叩いている。後ろ髪だけのびて、おでこが広くて、バカ姉弟の「おねい」みたい。思わずバカ姉弟のLINEスタンプを買ってしまった。

キャベツ炒めに捧ぐ (ハルキ文庫 い 19-1)

キャベツ炒めに捧ぐ (ハルキ文庫 い 19-1)

  • 作者:井上 荒野
  • 発売日: 2014/08/09
  • メディア: 文庫
 

ト。

幸福な記憶も、切ない想いも、料理とともにあった。小さくて美味しい惣菜屋「ここ家」で働く3人の女性たちの、たまらなく愛しい人生を描く小説。『ランティエ』連載に加筆・修正して単行本化。

新米 p6-22

ひろうす p23-41

桃素麵 p42-61

芋版のあとに p62-83

あさりフライ p84-102

豆ごはん p103-121

ふきのとう p122-140

キャベツ炒め p141-158

トウモロコシ p159-177

キュウリいろいろ p178-194

穴子と鰻 p195-215

食い意地が張っているので、食べ物系のタイトルに弱い。