まみ めも

つむじまがりといわれます

図書館奇譚

げんちゃんのクリスマスプレゼントはおやすみアンパンマンだった。手のボタンをぎゅっと押すとアンパンマンのほっぺがあかく光って「そろそろねるじかんだね」「いっしょにねようね」なんて声をかけてくれる。戸田恵子の声がすごく心地よくて、何度も押してしまう。げんちゃん、アンパンマンのあくびの真似が上手になった。このあいだ、アンパンマンの顔のかたちをしたパンをもらったら、ほっぺからかぶりついていた。アンパンマンの中身はクリームだった。アンパンマンの餡をきらしてクリームを詰められたクリームパンマンの脱力した顔を思い出す。

図書館奇譚

図書館奇譚

  • 作者:村上 春樹
  • 発売日: 2014/11/27
  • メディア: 単行本
 

ト。

図書館の地下のその奥深く、羊男と恐怖と美少女のはざまで、ぼくは新月の闇を待っていた。「カンガルー日和」所収の名短篇を改稿し、ドイツの気鋭画家によるミステリアスなイラストを添えて収録。

最寄りの図書館に地下室はあるかないか知らないけれど、うえにはプールがあるらしい。使われているのかどうかはわからない。プールのにおいがしてきたこともなく上り口の階段は鎖で遮られていて、幻のプールだ。夏、プールのあとにクーラーのきいた図書館で昼寝できたら気持ちいいだろうなとときどき思う。