まみ めも

つむじまがりといわれます

ラストダンスは終わらない

散々な一日があった。朝ごはんの支度をしていたら、ヨーグルトを容器ごと台所にぶちまけてしまい、ひとりでせっせと片付ける。床板のすきま、戸棚、カーペット、容赦なくヨーグルトは飛び散っている。急いで家をでたら本を持たずにでてしまい、乗り換え駅の本屋もあいていない。会社では服をべっとり汚してしまうし、からだもホルモンだかなんだか熱がこもってすっきりしないで、汗をかいてあせもになった。帰りはもちろん雨に降られた。ただでさえ地味な煮物色のくらしだが、その一日はドドメ色とでも呼びたいような、気分までふさぎ込むような失敗を繰り返した。お昼休み、ふと思い出してデスクの引き出しを漁ったら、いつか持ってきていた谷内六郎の本があって、その懐かしい絵柄に泣きたくなるようで、ちょっと元気が出る。あとは、ずっと食べたいと思っていたコーヒーゼリーを食べたのだけれど、その苦さでさえ今の自分にぴったりで、おかしい。

ラストダンスは終わらない―essay2001‐2005 (新潮文庫)

ラストダンスは終わらない―essay2001‐2005 (新潮文庫)

カズが、ブラジルW杯にアンバサダーとして赴くというニュースで、「もしもの時のためにスパイクは用意していく」とコメントしていて、一気にときめいた。そそくさと三浦知良で蔵書検索、適当にタイトルから予約したのだが、前に読んだ「おはぎ」に最近のエッセイを足して改題したものだった。それでも、表紙で鏡ごしに覗き込むように微笑むカズにしてやられた。なんてこった。サッカーのことはよく知らんが、やっぱりカズは大好きだ。前に読んだのと同じところ、雨の日でも気分は盛り上がるところ、それと、カズの朝ごはん、冷凍の塩ジャケを焼いて、都はるみを聞きながら食べるというところでたまらなくうきうきしてしまった。いつまでもカズにしてやられていたい。