散々な一日があった。朝ごはんの支度をしていたら、ヨーグルトを容器ごと台所にぶちまけてしまい、ひとりでせっせと片付ける。床板のすきま、戸棚、カーペット、容赦なくヨーグルトは飛び散っている。急いで家をでたら本を持たずにでてしまい、乗り換え駅の本屋もあいていない。会社では服をべっとり汚してしまうし、からだもホルモンだかなんだか熱がこもってすっきりしないで、汗をかいてあせもになった。帰りはもちろん雨に降られた。ただでさえ地味な煮物色のくらしだが、その一日はドドメ色とでも呼びたいような、気分までふさぎ込むような失敗を繰り返した。お昼休み、ふと思い出してデスクの引き出しを漁ったら、いつか持ってきていた谷内六郎の本があって、その懐かしい絵柄に泣きたくなるようで、ちょっと元気が出る。あとは、ずっと食べたいと思っていたコーヒーゼリーを食べたのだけれど、その苦さでさえ今の自分にぴったりで、おかしい。
ラストダンスは終わらない―essay2001‐2005 (新潮文庫)
- 作者: 三浦知良
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/02/27
- メディア: 文庫
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