まみ めも

つむじまがりといわれます

世界のおばあちゃん料理

実家から蟹。香箱蟹が3杯に松葉蟹が1杯。香箱の脚をつまみあげてつついていると、なんとなく無口になって、きょうのごはんは静かだねと笑いあう。窓の外は風がびゅうびゅう吹いている。内子の鮮やかな朱色を淡い黄金色の蟹酢にひたして口にいれる。香箱蟹は本当に見た目も味わいも鮮やかにうつくしい。

世界のおばあちゃん料理

世界のおばあちゃん料理

ト本。

おばあちゃんたちは、愛をこめて家族のために、日々こんなふうに料理を作っている-。世界中を旅しながら知り合った、50か国、58人の料理上手なおばあちゃんたちの自慢の味を、秘伝のレシピと写真で紹介する。

見開きのページの片方にはおばあちゃんと食材がうつり、もう一方にはできあがったお皿がうつっている。この2枚の写真の情報量がものすごくて、食材と料理のみならず、おばあちゃんの着ている洋服に背景の台所やリビングの様子を隈なくチェックしてしまう。ついつい料理気分が盛り上がって、でも山羊の脚やイグアナは手に入らないし、ムースをはねる機会にも恵まれないので、ドルマをつくった。玉ねぎとひき肉と生米をピーマン(16個分)に詰めて、鍋いっぱいに敷きつめドレッシングとケチャップとコンソメで適当に味付けをしてぐつぐつやる。季節のせいかピーマンがちょっぴりえぐかった。ばあちゃんはふたりともいるけれども、おばあちゃん料理を食べることはもうないだろう。ばあちゃんのおにぎりに砂糖が入っていたことをあとから知ったときにはちょっとだけ、ゲッと思ったけれど、ばあちゃんの握るおにぎりはノスタルジーだとしてもおいしかった。