まみ めも

つむじまがりといわれます

アルゼンチンババア

土曜はセイちゃんの卒園遠足だった。5時に起きてごはんを炊く。おかずはあまい卵焼き(卵5個)と人参のグラッセ、中華味のきゅうりを前の日までに作っておいた。あとは冷凍のチキンナゲットをグリルで焼いて、おにぎりをひとりにふたつずつ、10個つくった。セイちゃんはこんぶとしそわかめ、フクちゃんはゆかりとうめぼし、宿氏はしそわかめとごましお、フーちゃんはゆかりとしそわかめ、そして自分用にわかめとうめぼし。おかずはタッパーにまとめて詰めた。
行き先はいつもの乗り換え駅からすこし離れたところにある大きな公園で、しっぽとりゲームやはないちもんめをしたあとで小動物園を見物して解散した。みんなでひだまりに移動してシートをひろげ、お弁当を食べた。お弁当は光のスピードで平らげられた。セイちゃん、お友達の女の子がのこしたお弁当まで食べた。
帰り道でセイちゃんは「きょうのあさになりたいなあ」とさみしそうにした。

アルゼンチンババア

アルゼンチンババア

ト。よしもとばななが「下北沢について」でアルゼンチンババアのテーマについて触れていて、テーマはほんのり香る程度にしておきたいといっていたのが気になって予約したけれど、そのテーマのことはすっかり忘れてしまった。職人がどうのという話だった気がする。

街はずれの廃屋みたいなビルに住む、変わり者で有名なアルゼンチンババア。母を亡くしてからしばらくして、みつこは自分の父親がアルゼンチンババアとつきあっているという噂を耳にする。思い切ってアルゼンチンビルを訪ねたみつこが目にした、風変わりで愛しい光景。哀しみを乗り越えていっそう輝く命と、真の幸福の姿を描く大傑作。

「本当にきれいな女ってのは、見ても見てもどういう顔か覚えられないもんなんだ。つかみどころがなくて、どんな顔なのかはっきりとは分からないんだ。顔の周りにこう…もやもやした、きれいな布みたいなのがひらひら動いていて、その向こうがはっきりとは見えないんだ」
というのは、みつこのお父さんの言葉だけれど、身に覚えがあって、出会った当初は顔が思い出せなくて待ち合わせのたびに見つけられるかどきどきしたものだった。その当時の顔はいまだにぼんやりとしていてもどかしい。本当にいい男だったということにしておこう。