まみ めも

つむじまがりといわれます

2011-01-01から1年間の記事一覧

ダーシェンカ

チャペック、ちくま文学の森で読んで気に入ってさがしていた名前をやっぱりブックオフの¥105で発見。こころではスキップ踏みつつポーカーフェースでしれっとレジにもっていく。通勤のかばんにつっこんで、あっというま、行って帰ってくるそのあいだに読…

前代未聞の推理小説集

ある殺人/野呂邦暢 その後会えなかった男/羽仁五郎 古墳殺人事件/古川薫 ある吸血鬼の犯罪/赤塚不二夫 地蔵谷/白石一郎 継母の秘密/川村晃 逃げた女房/三浦朱門 若葉照る/宮原昭夫 角の家/吉田知子 奇想曲〈カプリチオ〉/虫明亜呂無 殺人協定/夏…

最高の贈り物

こないだ通院のときに午後半休してひさしぶりでブックオフをのぞいたら単行本¥105コーナーに98年のベストエッセイ集が三冊もでていたのでひとつ購う。会社のひきだしにしまって昼休みに読んだ。どこぞの砂漠に旅したら、駅のホームで土地のこども大人…

赤目四十八瀧心中未遂

車谷長吉が私小説をやるひとだというのも知らなかったが、こないだ読んだエッセイ集に車谷長吉のもはさまっていて、それには、つげ義春のえがく私漫画の世界観に共感をおぼえたようなことが書いてあった。いわく、私小説・私漫画とは「嫁はんに尻拭いをして…

赤毛の犬(阿部知二);犬たち(網野菊);犬と私(伊藤整);わが犬の記愛犬家心得(川端康成);あか(幸田文);クマ雪の遠足(志賀直哉);トム公の居候(徳川無聲);「犬の家」の主人と家族(長谷川如是閑);犬(林芙美子);ゆっくり犬の冒険―距離を…

ザ・マン盆栽

ブックオフの文庫105円コーナーにマン盆栽の文字をみつけて思わず購う。わたしとマン盆栽との邂逅はと思い起こせばかれこれ七年まえなんだった。筈氏を大学の五月祭に誘い出し、ぶらぶら歩いていたら、ひと通りの少ない工学部のあたりにマン盆栽の出店が…

ドキュメント家族

このところテレビをほとんど見ない。日曜日のザ・ノンフィクションだけは録画してもらったのを見るが、それ以外にはほとんどテレビをつけずにラジオを流し放している。だから、楽しんごという人が、巷では人気がでたらしいのを、たのしんごなのからくしんご…

こどもの風景(新・ちくま文学の森)

小曲二章(佐藤春夫)/波より(ヴァージニア・ウルフ)/少年たち(チェーホフ)/ある小さな物語(モルナール)/少女(ウンセット)/行列(夏目漱石)/牛乳(武田百合子)/ずぼんぼ(幸田文)/お栄という幼児(森銑三)/英語教師の日記から 抄(小泉…

木炭日和

週末は駅前まで髪を切りに出た。おかっぱで、と、注文する。どのくらい?、どのくらいがいいのか自分でもよくわからんのだから難儀する。バッサリ、と伝えると、ここらへん?と示してくる。いやもっと、ここらへん?、よくわからんまま、じゃあそこらへんと…

浴室

ブックオフでトゥーサンがあったのでやっぱり105円で購入したのを、きょう、通勤の車内で読み終えた。イヤフォンではステレオフォニクスを聴いていた。通勤は、片道一時間かかる。朝は駅のホームが混雑するので少し早めに出て、ホームで通勤の人に背中を…

クラウド・コレクター

入院中は、24時間のほとんどを、ベッドから離れられない日がつづいた。ごはんもシャワーもトイレも、息子が寝ている隙にあわてて済ます。それでも、戻ってきて、目を覚ました息子がベッドで泣いていると、やりきれない罪悪感におそわれる。初日は簡易ベッ…

おはぎ

はっきりいってサッカーのことなんか全然わからない。でも、なんだかカズが好きなのは、サッカーが好きだというのがどうにもこうにも並外れていて、そこに尽きる。この本は2001年から2005年の新聞連載のようだったが、2001年の時点で、カズはも…

ブライト・ライツ、ビッグ・シティ

息子の一歳の誕生日は病室で迎えた。朝方、病棟の看護師さんがお手製のバースデーカードでお祝いしてくれた。息子はおおかた回復しつつあり、貧血がひどかったのでむこう三ヶ月インクレミンで鉄を補給することになるが、あすには退院できる経過であり、よう…

爆発道祖神

町田康が、自身で撮った写真にあわせて創作ともエッセイともつかぬ文章を綴っている一冊。これもブックオフ¥105。町田康はどうしたって図抜けておもしろい。ドーナツショップでイヤフォンからはロケンロールを聴きながら読んでみたが、なんべんも噴き出…

サンセット大通り

かつての大女優がうれない脚本家を燕にし、痴情におぼれ、殺人に至るまでの顛末を描いた作品。かつての大女優を演じたグロリア・スワンソンの憑依っぷりがものすごい。どこかしら童話めいた展開からどツボにはまっていく脚本が容赦なく秀逸。悪い夢から醒め…

情婦

ならし保育が午後までのびたものだから久しぶりに映画館に足を運ぶことにした。ギンレイホールや早稲田松竹の上映スケジュールを照らしたが、埼玉くんだりから上京し、映画二本をやって、帰ってくるとなるとどうにも時間に無理があってあきらめた。浦和とさ…

第四次元の小説―幻想数学短編集

北浦和ブックオフで¥105。読まなければ後悔します、と、脅し文句のような文言が帯に書いてあり。はっきりいってわたしの人生は後悔することばっかし。来し方を振り返ると怨嗟呪詛のことばばっかり口をついて出てくるものだから、振り返ることをあえてし…

私生活

北浦和のブックオフで¥105。表紙のポートレイト、帯にかくれた部分には高橋源一郎氏の左の乳首がうつっていて、だからというんではないが、この表紙の写真に百五円支払ったようなもんだ。たとえば乳首がうつっていなかったら?買ったかどうだかわからな…

恋はきまぐれ(新・ちくま文学の森)

わすれなぐさ(ウイルヘルム・アレント)/ダフニスとクロエー(ロンゴス)/あいびき(堀辰夫)/襖(志賀直哉)/雪解(横光利一)/お客さん(コールドウエル)/サン・ピエールの百合(デイラン・ラニアン)/アルルの女(ドーデ)/隣りの女(タゴール…

心の鏡

小松のブックオフで¥105だったダニエルキイスの傑作集。ウーン、これなら紀香魂のほうがよかったかもしれない。そういえば、こっちに戻ってから北浦和のブックオフにいったら、エミネムも紀香も叶恭子サンも¥105棚からいなくなっていた。かわりにカ…

ためらい

ならし保育というのがはじまって、朝の九時から十時半まで、ぽっかりとひとりの時間を与えられてしまった。駅前まで歩いてって、ミスタードーナツにはいる。店の奥まった喫煙席だけ照明がついている。わたしは禁煙席の窓際ソファにどさりと座ってドーナツと…

中くらいの妻

実家にいる間に、一度だけ母にブックオフまで乗せてもらった。チャイルドシートの息子に別れ、母がよそで用事をすませる迄の制限時間三十分、¥105単行本コーナーのまえに立つ気持ちはやたらわくわくする。前のめりになりそうな気持ちをぐっと堪えて、右…

苦役列車

友もなく、女もなく、一杯のコップ酒を心の慰めに、その日暮らしの港湾労働で生計を立てている十九歳の貫多。或る日彼の生活に変化が訪れたが……。こんな生活とも云えぬような生活は、一体いつまで続くのであろうか――。青春に渦巻く孤独と窮乏、労働と痛飲、…

民宿雪国

ある国民的画家の数奇な生涯を描いたエンターテインメント。期待した展開が何度も何度も裏切られ、物語のラストはとんでもないところに着地する。昭和史の裏面に挑む怒涛の長編書下ろし。 一週間の滞在予定に携行した本を読み終えてしまって、実家の本棚から…

奇想天外(新・ちくま文学の森)

ジャムブリたちの住むお国(リア)/ねずみと小鳥とソーセージ(グリム)/猫の事務所(宮沢賢治)/ソナタの形式による落語(竹内浩三)/水滴(ブッツァーティ)/父の気がかり(カフカ)/卵(夢野久作)/赤い繭(安部公房)/ココァ山の話(稲垣足穂)…

日本幻想小説傑作集(1)

佇むひと(筒井康隆)/山月記(中島敦)/白いワニの帝国、老車の墓場(五木寛之)/金の輪(小川未明)/押絵と旅する男(江戸川乱歩)/人魚伝(安部公房)/くだんのはは(小松左京)/春泥歌(赤江瀑)/ニノ橋 柳亭(神吉拓郎)/老人の予言(笹沢佐保…

こころ

3.11以来テレビをつけ放しにして、地震や津波、原発のニュースに途方に暮れる。だれかれの安否が気になるけれども、メールや電話をためらってしまうのは、わたしにはあらゆることを受け止める自信がないのだと思う。実際に家族や友人の消息が知れない人…

誰も知らない

母子家庭の4人の子供たち。それぞれ別々の父親を持つ子供たちは、学校に通ったこともなかったが、それなりに幸せな毎日を過ごしていた。しかしある朝、20万円の現金を残して、母が失踪する。この日から、誰にも知られることのない4人の子供たちの生活が始ま…

からだの発見 (新・ちくま文学の森)

?(堀辰雄)/牧神の春(中井英夫)/ある学会報告(カフカ)/ある海水浴客の冒険(カルヴィーノ)/女房を寝とられた二つの肉体(エーメ)/眼玉首と脚(柴田宵曲)/刺青の話(岡本綺堂)/パーカーの背中(オコナー)/欲望と黒人マッサージ師(ウィリ…

バスケットボール・ダイアリーズ

『バスケットボール・ダイアリーズ』(The Basketball Diaries)は1995年制作のアメリカ映画。原作はジム・キャロルが13歳から16歳までつけていた日記『マンハッタン少年日記』(河出書房新社)。 公開された当時は、麻薬依存や売春が描かれていたために物議…