まみ めも

つむじまがりといわれます

2017-01-01から1年間の記事一覧

まぬけなこよみ

三連休の中日、電車を乗り継いでイケアに出かけた。家族総出で久しぶりのイケアにテンションが上がってしまう。家具をみつくろい、こまこまとしたものをいくつか買い、お昼をレストランで食べて帰ってきた。クロワッサンにシナモンロール、ウインナーソーセ…

ことば汁

週間の天気予報をチェックしておき、大根を下ゆでしてゆで卵を作っておく。ここぞというタイミングが今年は10月4日だった。前の日に大根とゆで卵、こんにゃく、ちくわに野菜天、もち巾着、赤ウインナーを鍋に入れ、適当にだしやスープを使って味つけしておい…

怪談

ここのところ、朝、玄関を出て門を開けると、ちょうど遊歩道を歩いて出勤するサラリーマンに出くわすのやけれど、この人が、この世の憂鬱をすべて引きずるように足をずりずりと運んでいる。絶望が歩いているみたいだ。あまりに足を引きずるので、段差もなに…

沢野ひとしの旅絵日記

週末はセイちゃんの小学校の運動会だった。早起きして家族5人分の弁当をこさえる。おかずはもも肉のからあげとゆで卵に枝豆、ブロッコリー、たらこ味のショートパスタにプチトマト。前日の夜に新米が届いたので、炊きたてをおにぎりにした。新米のおねばが鍋…

生まれたときからアルデンテ

水曜の午後は持病の通院だった。採血のあとでいったん家に帰って洗濯物を取り込み食料品の買い出しを済ませてから読まなくなった本をブックオフに持ち込み診察。こともなし。ブックオフに戻り二束三文を受け取りその二束三文でまた古本を買った。持ち込んだ…

続・激突!

水曜は午後を半休するので朝は5時に目覚ましをかけて朝ごはんを用意し身支度を済ませて一時間早く家を出た。通勤の車内には昨夜の倦怠を引きずっているのか眠りこけている人が多く空気も心なし澱んでいる。朝の仕事は嫌いではなくて、電話はならないし、実験…

木暮荘物語

セイちゃんが先の木曜だったか、小学校の運動場でクワガタを見つけて連れて帰ってきた。指先でつまむとつぶしてしまいそうな小さなクワガタで、虫かごにいれておくと、夜な夜なかすかな気配を醸している。のぞくと大体ひっくりかえっていて、梨をやったりバ…

やめないよ

金曜のお昼に、いなかのお母さんから、金木犀がにおいだしました、と知らせてきた。夕方にざっと雨があって、こちらは雨だよ、と返事をして、雨降りの合間にこどもたちのお迎えをしていたらつるべ落としの夕暮れで最後の角を曲がるときにはもう暗くなってい…

鳥肌が

乗り換え駅のコンコースの柱に、ファッションブランドのポスターが貼ってあって、坂口健太郎がうつっている。坂口健太郎はとと姉ちゃんの星野くんの頼りない感じがよかった、ポスターの坂口健太郎はポケットに手なんか突っ込んじゃって、こちらを見下ろして…

モモ

秋めいてくるとチョコレートがおいしい。一番好きなチョコレートはガーナリップルで、18歳のときに大学の購買部でみつけてから好きなのでもう15年以上好きでいるんだからどんな男より長続きしている。といっても出会ったころはいまとは名前がちがって、ガー…

泥酔懺悔

園でリリアン編みをしているフクちゃんの話をきいて、セイちゃんが、いいなあ、やりたいなあ、と言い出し、先生にやり方を尋ねたらペットボトルで作ったリリアンの編み機をひとつくれた。フーちゃんのマフラーを編もうということになってお店でフーちゃんに…

なんらかの事情

インターネットをひらいたら「本日はお彼岸DAY」という広告が出ていた。お彼岸もいまやかなりカジュアルになったものだなと思う一方で、お彼岸をやる人たちはこのお彼岸DAYという広告戦略に違和感を覚えるのではないか、でもその違和感こそが広告の狙いなの…

変愛小説集

火曜は雨上がりで蒸し暑かったけれど、セイちゃんのお迎えを終わって建物の外に出たら東の空におおきな虹が出ていた。目に見える範囲で途切れることなく大きく半円を描いていて、ちょっと信じられないくらい立派な虹だった。道ゆく知らない人たちも、虹だよ…

活字学級

駅前の青物屋には毎年桃の季節になると「押さないで 桃がいたいと 泣いてるよ」という八百屋オリジナルの五七五が貼り出される。桃の絵に顔が描かれて、目からはぽたぽたと涙が流れている。今年もあるなと思っていたら、そのうち仲間のプラム三兄弟が貼り出…

王になろうとした男

うっすらと体調のすぐれない日々。ときどき、のどのあたりを痛みというか苦しみというか、なにかが締めつけるような感覚がやってくることがあって、前は春先だったとおもうけれど、つい最近も二度ほどやってきた。前よりもきりきりするところが広がったのか…

きのうの朝、ラジオから流れてきた歌声がとてもよくって、YouTubeで検索して聴いている。マルー・マガリャエスというまだ20代のブラジルの女の子。短く切られた前髪がはっきりした顔立ちに似合っている。そのとき流れたのはNavegadorという曲だった。なにか…

珈琲とエクレアと詩人

家のタオルがことごとくくすんできたので買い替えた。100円ショップで白のバスタオルを7枚。バスタオルとはにわかには信じられないコンパクトさで、温泉旅館の名入りタオルのような薄さではっきり言って頼りない。このチープな頼りなさがかえってよくて、す…

ナイト・アンド・ザ・シティ

ニュースで「そげ胸」という単語を知る。もともと胸板はなかったし、むしろ薄い胸が気に入っていて、自分のからだのパーツでは鎖骨が好きだったのだけれど、妊娠出産を経て、いったんものすごく膨らみはしたものの見事なほどにしぼんでお役御免を告げてくれ…

騎士団長殺し

駅前の青物屋のワゴンに水出しの麦茶パックが安売りされるようになり、ラジオから森山直太朗の「夏の終わり」が流れて、夏に引導が渡された。セイちゃんも夏休みが終わり、始業式の日にやっとギプスが取れた。最後のお弁当はリクエストで麻婆豆腐。簡単なメ…

米原万里の「愛の法則」

木曜の夜にベッドに入るとセイちゃんがアツアツになっており、39度の熱。体に熱がこもるのか、暑い暑いといって眠れないらしく、水筒にお茶を詰めてもってきたのをごくごく飲んだ。横に寝そべったら、肌をぴったり寄せてきて人肌で涼を取るのでこちらはちっ…

ノンちゃん雲に乗る

雑用としか言いようのない仕事がまわってきて、午後は延々とものの所在を確認し数える作業をやった。ひとつわかったことは、自分がろくろくものもちゃんと数えられないということで、ついさっき指さし確認したはずのものがどれだったのか数分後には怪しくな…

懐かしい人たち

フーちゃんのお誕生日プレゼントをなかなか準備できないで、やっと買った。シルバニアファミリーの「はじめてのシルバニアファミリー」というセットで、二階建ての家にベッドやキッチン、ダイニングセットにオムレツのお皿、うさぎがついている。オムレツに…

あの頃ペニー・レインと

月曜に鎌倉から戻り、火曜はセイちゃんの病院のあとでこどもたちとフードコートでたこ焼きを食べた。水曜に買い物をすませ、木曜から仕事。日常がかえってきてほんの少しほっとする。食材がなかったのでレトルトのソースにひき肉やにんにくを加えたミートソ…

地図を探偵する

土曜に下田から鎌倉に戻り、日曜は逗子からバスに乗り、葉山の玲子さんのお宅にお邪魔した。海まで2分の斜面にある木造の風通しの良い一軒家で、一階からも二階からも海が見える。猫が二匹一緒だった。寝室の白い壁には、ファシアノスが直に描いた絵があった…

ベトナム戦記

毎夏恒例の下田に出かけてきた。タクシーで大船まで出て、伊豆踊り子号にのって下田まで。海辺のホテルでのんびり過ごす。今年はフーちゃんも水着で海辺に出た。波を怖がるので砂浜で穴を掘って遊ぶ。穴を掘ったところに海水がわずかに滲み出てくると、そこ…

あひる

仕事を早上がりして鎌倉の駅につき、少し時間があったのでうろうろしていたら、たらば書房の向かいのビルのテナントにヨーロッパ古着を扱う小さな店をみつけて、勢いでワンピースを一枚買ってしまった。フランスの半世紀ほど前のもので、生成色に刺繍がして…

東京飄然

家族が夏休みになり、一方こちらは土曜も仕事、もちろん週明けも仕事、それでも片づかないので、ひと足さきに鎌倉にいってもらって、早出に残業までしたけれど、それでも仕事がいくらもある。帰り道、台風で雨風に吹きつけられ、いっそ帰ってしまおうかと思…

そういう生き物

セイちゃんとフクちゃんはしばらく石川へいって、木曜に帰ってきた。動物園でホワイトタイガーをみたり、映画に出かけたりしたらしい。戻ってきた日は仕事で、おかあさんが家までふたりを連れてきて、ひと晩泊まって帰っていった。お土産に家で取れたトマト…

うっとり、チョコレート

おやしらずを抜いたあとがなんだかすっきりしなくていまいち調子が出ない。痛みがあるわけでもないのだけれどなんとなく生臭さが居座って、何を食べてもおいしくないしビールを飲んでも気分がよくない。すっきりしたくてうがいや歯磨きを何度もするけれど肝…

失踪者

土曜は抜歯。先週の治療のときにさんざん脅されたので覚悟を決めて診察台にあがり口をあけたけれど、思いのほか簡単に抜けてしまった。シャンパンの蓋をあけるように、ぎゅー、ぽん、と抜けた。麻酔が切れるまえにロキソニンを飲んでおいた。痛みはないけれ…