まみ めも

つむじまがりといわれます

2021-01-01から1年間の記事一覧

ヘンリーくんと新聞配達

週末の夜、ふくちゃんのお誕生日祝いを家族で。リクエストは餃子と炒飯、コーンスープにチョコバナナケーキ。お安い御用と張り切って台所に立つ。プレゼントはレッズのユニフォーム。早速袖を通してポーズを決めてくれた。 ヘンリーくんと新聞配達 改訂新版 …

春にして君を離れ

月曜がふくちゃんの誕生日だった。九歳。朝、いつもよりずいぶん早く起きてきて、おじいちゃんおばあちゃんから届いたバースデーカードとプレゼントの包みをあけて、二度寝していた。二度寝のある誕生日がうらやましい。 仕事のあとでお迎えをすませて家に戻…

ぼくは本屋のおやじさん

花水木と木香薔薇が咲いて、目に映る街並みが華やいでいる。数年前におとうさんが病を得てから、春が待ち遠しいながらに憂鬱でたまらなかったのだけれど、いよいよ死んでしまって一年あまりを過ぎると、春のしんどさがだいぶ軽くなり、あれはおとうさんのこ…

ブックオフ大学ぶらぶら学部

げんちゃんの歯科健診で虫歯が見つかってしまった。よーく見ると、前歯がとけて欠けたみたいになっている。かわいさに負けて好き放題におっぱいをやっていたのがいけなかった。ちょっと勿体ぶってみたら手をつっこんで引きずり出して飲んでいて、なかなか手…

あとは切手を、一枚貼るだけ

げんちゃんの熱がさがってほっとした翌日にせいちゃんがごほごほやり出し、休みに次ぐ休みで今週はほとんど仕事にならんかった。風邪にアレルギー性鼻炎。みんななんとはなしに冴えない体調を抱えている。休んだ日、うらうらとした天気がもったいなくてふと…

暗がりで本を読む

庭にいちごの株をみっつ植えたうちのひとつに、花がついている。白い花びらが落ちたあとに実がふくらんできた。いつのまにかブルーベリーも鈴のようなちいさな花を垂らしている。実家の庭の木蓮が咲いたという知らせが来て、季節は順繰りに巡っていくのだな…

天使のとき

主義主張というものがあるとするなら、みずからにチュニックを禁じている。チュニックを着るようになったらおしまいだ。いくらチュニックが古代ギリシャ・ローマの由緒正しい語源の衣服だとしても。チュニックはなんたって着る人を選ぶので、生まれ変わって…

蠅の王

しばらく行っていなかったら、おかしのまちおかの棚から「花のくちづけ」の居場所が消えていた。申し訳ないことをした。しかたがないので二番手の純露を買った。薔薇のサプリメントで体から薔薇の匂いがするようになるというのを見かけるけれど、花のくちづ…

佐野洋子対談集 人生のきほん

せいちゃん、日曜にサッカーをやっていて鼻の骨を折って帰ってきた。月曜に再診。1.5ミリほどずれているけれど、元通りに治せるものでもないといわれたらしく、そのまま経過をみることになった。「僕の鼻があと1センチ高かったら歴史が変わったっていわれる…

女ざかり

先週、一日の休みをとって半年に一度の通院。受付を済ませて採血をしてもらい、いったん外に出てロイホでモーニング。スクランブルエッグのプレート。ドリンクバーでバンホーテンのココアをおかわり。ロイホがよすぎて、ロイホのプレートっぽさという側面で…

ひみつのしつもん

相変わらず人参サンドイッチの日々なのだけれど、家に使い残しのパクチーがあったので、ツナマヨに混ぜて人参サラダとサンドイッチにしてみた。ツナマヨにあえられたパクチーはパクチーらしさが消え失せて、ツナに交われば鮪になるという格言が生まれた。 せ…

道行きや-Hey,you bastards!I'm still here!

週末、公園にプレイパークが催されていて、木にロープをぶら下げたぶらんこだったり、焚き火を燃していたり、楽しそうにやっているので混じりにいく。げんちゃんとふーちゃんをリヤカーに乗せて動かしてみたら、二輪の荷台が不安定でぐらぐらするのでげんち…

ベスト・エッセイ2020

いつのまにか白木蓮が咲いていてはるのはじまりが終わっていた。白木蓮の花はろうそくの火が風に揺れているみたい。散るときにきれいじゃないところも含めて好きな木だ。 久しぶりに連ドラをみている。君セカというゾンビドラマで、次々と重要人物がいなくな…

本当はごはんを作るのが好きなのに、しんどくなった人たちへ

ひな祭りはスーパーで刺身のファミリーセットを買い込んでちらし寿司にした。酢ばすと干し椎茸の煮物を前もって用意して、酢飯に干し椎茸を刻んで混ぜ込み、海苔、薄焼き卵、蓮根と三つ葉、お刺身を並べていく。毎度ながら盛り付け能力の限界が明らかになりY…

おやときどきこども

しばらく前にげんちゃんの手にぽつぽつが出たと保育園から呼び出しがあって、あわててお迎えにいって小児科に連れていったら、先生は手を握るなりで、ひえてるねしもやけだ、と診断をくだした。ユベラ軟膏をだしてもらい、朝と夜にてのひらに塗り込む。はじ…

ゴハンですよ

お正月に肥えたところに在宅勤務で欲望のままにチョコレートを貪っていたのが上のせになり顔も体もぱんぱんに育ってしまった。もともと丸顔であるところがさらに丸くなり、母のすべてに肯定的なフーちゃんからは、おつきさまみたいですてきだよ、と褒められ…

82年生まれ、キム・ジヨン

げんちゃん、アンパンマン沼にどっぷり。ぼく、と声をかけるとアンパンマン!おれさま、は、バイキンマン!わたし、は、ドキンちゃん!とこたえてくれる。めんこい。友だちがいうには、アンパンマンのフォルムがおっぱいそのものだから子どもを惹きつけるの…

すべて真夜中の恋人たち

バレンタインデーの日曜日、ココアを入れた生地のケーキを焼いた。夕飯はロピアで手に入れたかたまり肉でローストビーフ。セイちゃんとフクちゃん、緊急電話用にほしいという口実で持たせてあった100円玉を握りしめてコンビニにいき、バレンタインの買い物を…

私の中の男の子

土曜の朝に早起きできるはずもなくておかずのクッキングを録画(しかも周回遅れ)でみている不届きものをやっている。ハヤシライスの回で、土井先生が玉ねぎを焼きながら、合間に本が読めるんですよてなことを言うのでオッとなっていたら、玉ねぎがゆっくり…

オリガ・モリソヴナの反語法

遊歩道のわきには、おとなりのお爺さんが面倒をみていた、畑とも呼べないようなちいさな地面があって、工夫をこらして、季節ごとに花が咲いたり野菜が実ったり、それが歳時記のように季節を教えてくれる。お爺さんが怪我で入院してずいぶんたち、おそらくお…

惚れるマナー

おととい春一番が吹いた。セイちゃんが校庭で拾ってきた白梅の枝に、ひらいた花と、ひらきかけの蕾と、閉じた蕾がついていて、鼻を近づけるとふわりと匂う。久しぶりにホットプレートを出してお好み焼きをする。においが上にこもるので階段をあがったところ…

ビーザスといたずらラモーナ

遊歩道のきわにある蝋梅が鼻先をくすぐるようににおって、すこしずつ春の気分が町に漂いだす。夕暮れが遅くなり、仕事のあとで帰り道の夕陽があかるい。あたらしい仕事が舞い込み、調べものに明け暮れる。駅前のスーパーで菓子パンが安くなっていて、金時豆…

八日目の蝉

今年は新年の訓示が動画配信だった。二日間の決まった時間にしか見られないプレミアものの動画なので、仕事を調整してデスクでインスタントコーヒーを飲みながらありがたく拝聴しておったら、新年早々「根性」という単語が登場して一気に萎えた。令和の時代…

ヘンリーくんとビーザス

FLOSS or DIEを肝に銘じてせっせとフロスをしていたら歯の詰め物がぽろりととれてしまった。歯医者に夕方の予約をねじ込んで、仕事を昼上がりにしてもらい、すこしのんびりした午後を過ごす。通勤の途中駅でおりて、モンブランを買いに行く。Uの店のモンブラ…

図書館奇譚

げんちゃんのクリスマスプレゼントはおやすみアンパンマンだった。手のボタンをぎゅっと押すとアンパンマンのほっぺがあかく光って「そろそろねるじかんだね」「いっしょにねようね」なんて声をかけてくれる。戸田恵子の声がすごく心地よくて、何度も押して…

銀のくじゃく

週末にお誕生日を祝ってもらった。スーパーで肉とピザを買い込み、ピザを落としそうになりながら、ふみちゃんとキャーキャー言って自転車で持ち帰る。ラムチョップとスペアリブを焼いて、みんなでかぶりつく。食後にいちごのショートケーキ。おたんじょうび…

短歌ください 君の抜け殻篇

連休明けにひとつ歳をとった。1949年生まれの村上春樹と1988年生まれの木下龍也にはさまれているので、サンドイッチでいえば具に当たる。身にあまる光栄です。最近はツナマヨと人参サラダのサンドイッチばかり食べている。年明けからすでに人参一本ぶんをサ…

ともだちの話

仕事始めの五日に、仕事帰りに寄った駅前の八百屋で、人参と茄子を買い物かごに入れてレジにショップカードをかざしたらハッピーバースデーのメロディが流れた。誕生日の前後にいくと鳴るらしい。レシートとは別に、名前とお誕生日おめでとうと印刷された一…

ヒナギクのお茶の場合/海に落とした名前

家族だけで家で年末年始を過ごすのははじめてのことで、すっかり気が緩んでみんなしてねぼすけの寝正月を満喫した。年の瀬に鎌倉からおせちの材料をあれこれ送ってもらい、雀の絵付けのお皿に紅白のかまぼこ、伊達巻に昆布巻き、栗きんとんや黒豆やかずのこ…