まみ めも

つむじまがりといわれます

2023-01-01から1年間の記事一覧

キッチンが呼んでる!

思い切ってふたつ休みをとって四連休。あれやこれやが気になるけれども、めちゃくちゃ仕事のできる先輩が良きにはからっておきますとフォローを約束してくれたので気兼ねなく。入社して半年が過ぎたけれども、先輩のすごさに圧倒され続けていて、影武者が何…

6時間後に君は死ぬ

夏が一気にやってきて、サニーデイサービスだけを繰り返しきいている。庭のさるすべりが伐られてしまったことがあとからじわじわと効いてくる。よその庭のさるすべりを見かけるたび、うちの庭に咲いていた花の鮮やかさとはちがうなあと思い出してしまう。な…

ネット右翼になった父

たなばたがお誕生日のふみちゃん、例年どおりごはんはオムライスのリクエスト。週末にケーキを準備してお祝いをした。ことしはパイナップルでケーキを作ってほしいというので、ここぞと缶詰の輪になったパイナップルをふたつ並べて8の字をつくる。たなばたの…

世界から猫が消えたなら

日曜日の午後、自転車をこいでいるときに、ふみちゃんが、お母ちゃんせみがないているねと教えてくれて、蝉の鳴き声に気がついた。聞こえていたはずなのにちっとも気がつかなかった。前日のまとわりつくような湿気が抜けて、ページをめくるように一気に夏だ…

斜陽

げんちゃんの一人称がげんちゃんからおれになったなと思っていたらこないだついにおれさまが出たので笑ってしまった。せいちゃんが小さいときにおいらと言っていたのを思い出す。せいちゃんはゆくゆくはわしを使いたいと言っていた気がする。げんちゃんはむ…

居場所がないのがつらいです

県境をふたつこえて海や浜行きの電車に乗る三日間が終わった。海や浜という字の誘惑に踏み外してしまいそうになるのを踏みとどまったぶん、最終日の帰りに服を買って散財しそのまま夜の町へ繰り出した。三日目の朝は体育祭のせいちゃんの弁当がいるので億劫…

青豆とうふ

週明けから日帰りで三日間桜木町に通っている。ここのところ出勤は週に二回、始発二本目のちょっぱや出をしていたので、のぼりの満員電車にぎゅうぎゅうに詰められて、電車を降りるときには塩もみされてしぼられたきゅうりみたいにくたくたになった。 週末の…

おかしな話

ことし一番はやい朝だった。長雨の入り口で遊歩道の枇杷とあじさいの花が鮮やか。あじさい、花が大きくなると重たいのか地面に近くなる。 あじさいがまえにのめって集団で土下座をしとるようにも見える/吉岡太朗 実家では庭にほたるが光っているらしい。一…

殺戮にいたる病

週末のおつかいのとき、あじさいがたくさん植わっている遊歩道を通る。図書館に寄り、スーパーに寄り、した帰りに自転車のうしろで寝てしまったげんちゃんがそのまま三時間も眠ったので暑さにばてたのかなと思っていたら週明けから熱を出して木曜日までお休…

村上T

げんちゃんが4歳になった。おたんじょうびというものがわかっているようでわかっていない。お誕生日の朝、げんちゃんいくつになったの?と聞きながら起こすと、かったるそうに手の指を親指だけまげて4の形にして返事をした。起きたあとは「おれわやるぞ、お…

ここは、おしまいの地

週末にかけて古本いちをやっていることを知り、金曜日の朝、起きてみたら、天気はいいし、仕事はたんまりあるけれど急ぎのものはなく、たまたま予定もあいている、そういえばスタバのギフトの期限が残り少しだった。それで、休みをとって出かけることにした…

無人島のふたり

すこし遠出して帰りが遅くなった。朝からつめたい雨に降られてくたびれて、朝用意したアイスコーヒーは飲む気にならんまま鞄の中にある。行きの電車では太宰治を読んだけど、やたら癇にさわって、もう本もひらきたくないし、電車の席に座って音楽をイヤフォ…

おいしい子育て

窓をあけはなって寝て、明け方の空気が涼しいくらいのいまの季節がいちばん好きかもしれない。 会社に出る日は、始発のつぎの電車をつかうのだけれど、五時前に家を出るときにはもう明るくなっている。黎明橋の上で朝のランナーとすれ違う。セブンイレブンの…

家族って

おあつらえむきに雨で明けた連休だったけれど、明けてみればそんなようなもんでなんとかなった、と思っているのは自分だけかもしれないけど。なにを思ったのか仕事をやめることだけ決めてきたやつが家の中にいて、一体どうなるのだろう。 家族って 作者:しま…

短歌ください

連休にせいちゃんがティーンエイジャーになった。誕生日の翌日に中学生男子が三人泊まりにくることになっており、みずからはりきってもも肉を1キロ使ったチキンカレーを仕込んでいた。こどもたち、バーガーキングでお昼をし公園で遊んだあと銭湯にいき、カ…

過去と未来とわたしたち

数字を少しかぞえられるようになったげんちゃんが、五味太郎の「すうじの絵本」の裏表紙の見返しに1から100までならんだ数をかぞえてきかせてくれる。しちとはちが混ざるのはご愛嬌で、ひゃくは難しいよなとわくわくしていたら、元気よく「ぜろじゅう!!」…

ジジイの台所

採用のときにオンラインで適性試験を受けたのだけれど、いろいろな向き不向きとかが傾向として抽出されるところ、この人はとくになんも問題ないっす、という結果だったようで、そんな人ははじめてだったらしい。おそらく採用には直接関係しないような絶妙な…

旅の絵日記

ふくちゃんがてんさいから11歳になった。ふくちゃんが産まれたころに書いたブログを読み返す。お誕生日なのでリクエストのバターコーンたくさんのみそラーメンを用意したというのに、気に入らないことがあったのかいらいらし、ずいぶんあとから背中をむけた…

町中華の丸かじり

せいちゃんが中学生になった。おろしたての制服をだぼっと着て入学式を迎える。 制服は未来のサイズ入学のどの子もどの子も未来着ている/俵万智 年末の入学説明会で渡された提出書類はことごとくなくしてしまった。きっといまごろリサイクルされている。あ…

荒野の胃袋

先週はげんちゃんが胃腸炎になり旅行が流れた。一週間後の週末に今度は自分が胃腸炎になり、丑三つ刻にトイレにこもって出られなくなった。冷や汗で体が冷えて、布団にもぐりこみ、毛布にくるまり、体をがたがたいわしながらふくちゃんの足とげんちゃんの手…

老人ホームで死ぬほどモテたい

WBCの決勝とせいちゃんの卒業式が見事にかぶってしまった。式の最中に何度か速報を確認していたけれど、式のあとの待ちの時間にゲームセットを見届けることができた。こどもたちも待ち時間に教室でテレビをつけていたらしく、窓をがらりとあけて、勝ったぞ〜…

誘蛾灯

先週末に恩師の最終講義があり、仕事を早上がりして大学にいってきた。再現性の危機といわれた暗黒時代の教え子で申し訳ないながらも花束贈呈のお役目をまっとうした。久しぶりに歩く本郷通りは「もうつぶれてなかった」がたくさん。教授室で懐かしい面々と…

クララとお日さま

おととい、実家の犬が死んだ。暮れのころから、ちょっと様子がおかしいとお母さんが言っていて、散歩にいくとどこまでも歩いてみたり、そのくせ次の日はぐったりと一歩も動かなかったりしていた。寿命だったのだろう。てんかん持ちで発作が出たので薬をすこ…

家族

夕暮れどきに沈丁花のにおいが遊歩道に漂っている。しつこいような甘えたにおいのくせに、すこし離れるとすっといなくなる。思わせぶりなやつめ。蝋梅のにおいはまだ春待ちの気配だけれど、沈丁花のにおいはもう春の入口に立っている気がする。木蓮が咲くと…

世界金玉考

金曜日は花粉症と月のものが重なりみるみる具合が悪くなり、会社のトイレで戻し、帰りの電車は座席にもたれるようにして帰った。座れてよかった。目の前の座席が空いたとき、平静を装いながら気持ちは流星課長だった。電車をおりて外の空気を吸い込んだらだ…

せかいはことば

春がきて空気がゆるむより先に花粉症がやってくる。絶妙に調子が悪く、そこはかとないというのか、胃がすっきりせず、うすら寒い感じがして身の置き所が常にずれているような居心地の悪さがある。薬を飲むとオブラートがとけるような感じで少しだけましにな…

東京四次元紀行

日曜日、やっとふみちゃんの七五三ができた。といっても七五三に縁がなくなにをするかよくわからないのでスタジオで写真を撮るだけ。ついでに兄弟もこじゃれた洋服を着せてもらい、ひとりずつ、きょうだい四人、家族六人で、それぞれカメラにおさまった。数…

父のビスコ

月曜日の昼前に呼び出しの電話がかかり、どたばたと荷物をまとめて電車を乗り換え昼寝しているげんちゃんをお迎えして帰宅。高熱でくったりしていて、帰ってからふとんに寝かせるとそのうち眠った。となりでふとんに下半身をうずめてひっそりと仕事をする。…

ラブレター

先週の金曜日、遊歩道の白梅がやっと咲いた。何年か前に容赦なく剪定されて丸裸になってから開花がずいぶん遅くなった。とことん待たせて、冬の一番寒いときに春の訪れを予感させてくれる。木蓮のつぼみもふくらんでいる。ここしばらくの冷え込みで、せいち…

神の子どもたちはみな踊る

家で仕事をはじめようとしたら庭師がトラックで乗りつけて、庭の木をとことん伐っていった。隣の敷地からのびていたさるすべりがばっさりやられて切り株になってしまった。うだるような夏の盛りにいつのまにか咲いて鮮やかな紅色が永遠のように長く続くこの…