まみ めも

つむじまがりといわれます

2022-01-01から1年間の記事一覧

ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。

梅雨明けの猛暑の日曜日、サッカーにいくふたりを送り出したあとで、ふくちゃんとふみちゃんとげんちゃんを三人連れて、ロイホでモーニング。目玉焼きがふたつのプレート、パンケーキのプレートをそれぞれ頼んでおそ朝。げんちゃんがお店の中で出し抜けに「…

あかんべえ

先週の土曜日は夏が本気を出した初日のような天気で、急にサッカーの予定がなくなってしまったこどもたちを誘って浦和宿古本いちへいった。 羆嵐 吉村昭 まだまだ酔ってません 大竹聡 悪魔のいる天国 星新一 百 色川武大 土と草と風の絵本 田島征三 もの食う…

交通誘導員ヨレヨレ日記

七月を迎える前に梅雨明け。朝、みみずがたくさん道路でのたくって行き倒れている。死屍累々を踏み越えて仕事へ。 小学生のとき、みみずは七つに切るまで死なない、七つ以上に切ると死ぬという噂がまことしやかに囁かれていて、草刈りのかまで校庭のみみずを…

大衆食堂に行こう

夏至の帰り道でゲリラ豪雨に降られた。あじさいもくちなしも花が端っこから茶色くなっている。もう少ししたらさるすべりだけがいつまでも鮮やかな夏がくる。 大衆食堂に行こう (だいわ文庫) 作者:東海林 さだお 大和書房 Amazon ト。 安くて、うまくて、人情…

されど私の可愛い檸檬

何年ぶりかで東京にいく。埼京線と井の頭線を乗り継いで、はじめてひとり暮らしをした明大前を過ぎて、手のとどかない記憶に気が遠くなりながらたどり着いたところは畑とカクヤスとOKストアが徒歩圏内にある抜群の立地だった。明るいうちからビールを飲んで…

遠慮深いうたた寝

梅雨入りして遊歩道やよその庭のあじさいが目に鮮やか。花が重たくなって、垂れるように咲いていたりする。あじさい、花のひとつひとつ、株の中の花たち、集まって咲いているのがかわいい。ブーケが咲いているみたい。 あじさいが前にのめって集団で土下座を…

アラフォーウーバーイーツ配達員ヘロヘロ日記

個人面談があったので昼で仕事をあがり、デパートで買い物をしてほくほくで昼ビールをキメた。酒ではなく面談をはしごして、三つこなす。ひとり若い先生がおり、まだ27歳なのだけれど、自分のその頃を思い返すと学生風情でとんでもない男と付き合っており、…

遠い太鼓

げんちゃん、過去のことを話すときは「きのうあさ」、未来のことを話すときは「あしたこんど」という。これまでとこれからがあることを知っている。そんなげんちゃんの「いま」に三歳のお誕生日がやってきた。お誕生日プレゼントはトミカを五台。河川パトロ…

男の愛

つつじが満開を過ぎて花を地べたにこぼしている。薔薇も花盛り。あじさいが日に日に育っている。いちごはおしまい。たんぽぽも綿毛がとんでしまった。 土曜の午前、皮膚科ついでに浦和宿古本いち。 ピアノの音 庄野潤三 コブナ少年―横尾忠則十代の自伝 横尾…

ワンピースの女

一度だけ自分勝手がしてみたいメトロノームの五月の疲れ/杉崎恒夫 ふとこの短歌を思い出して自分勝手がしたくなり、金曜の午後に休みをとった。ゴールデンウイークにふたごがうまれた友だちに会いにいく。デパートを冷やかしてからパイとブーケをお土産に買…

今夜は眠れない

駅の構内につばめが巣をつくっていて、朝、流線型の軌道が出たり入ったりしている。つばめを目で追えず飛翔の残像だけがみえる。通勤の途中に玄関先から二階のベランダまで薔薇が生い茂る家があって、少しだけ遠回りする。 異動した部署で、だれかのタイピン…

元彼の遺言状

週末は在宅で研修を受けていた。家族がいるので、ひとりになれるのは寝室しかなく、布団の上でパソコンをぽちぽちしながら講義をきいていた。カメラをオンにしている重鎮の先生が掛け軸を背景に煙草をくゆらしておりなかなかの見応え。テレビにうつる自分の…

〆切本2

連休明けだし雨だし寒いしでとことんブルーが上塗りされるマンデーを乾杯で明るくしようと仕事を切り上げて同期や先輩と居酒屋に繰り出してビールをがぶ飲み。次の日、宵越しのアルコールでふわふわして駅の階段を踏み外しそうになりながら会社に向かってい…

謎解きミステリー

ふたつめの連休にセイちゃんの誕生日。11歳おめでとうと声をかけたら、12歳だよと返事があった。こういうところはおかあさんにすごく似てしまった。リクエストははま寿司、それとキウイとみかんの缶詰をはさんだビスケットケーキ。はま寿司にいったら、酔っ…

スプートニクの恋人

カレンダー通りのゴールデンウイークは、すべての休みにきょうだいのサッカーの予定が時間差で入っており、朝にお弁当をつくり、送り出し、はや昼を用意し、送り出し、お迎えに出て、おそ昼をたべ、片付け、落ち着くひまがない。 三連休に挟まれた月曜はだい…

かなわない

こどもたちの皮膚科ついでに浦和宿古本いちへ。予約受付の順番がだいぶ先だったので、受付を済ませてから古本いちでゆっくり品定めをして、皮膚科の待合室でそれぞれに本をひろげた。110円均一のワゴンから三冊。風の強い日だったけれど、ひだまりはあたたか…

村上ラヂオ

ぴかぴかの一年生のふみちゃん、しばらくお弁当だったけれど、たのしみにしていた給食がはじまった。どうだった、おいしかった、と聞くと、なんとなく元気がなくてしょんぼりしている。よくよく話を聞くと、給食がぜんぜん足りないのだという。ふみちゃんが…

村上朝日堂

ふくちゃん、10歳のお誕生日だった。みんなで、ふくちゃんがてんさいになった!とお祝いをする。週末にパーティー。リクエストは焼肉とチョコバナナのビスケットケーキ。焼肉でビールをリットルで消費したあとによっぱらってケーキのデコレーション(チョコ…

村上さんのところ

金曜の夜はハンバーグを焼いて、ごはんのあとは家族みんなでソファに並んでテレビを見た。菓子パンの袋のつもりで出たけれど、正真正銘の菓子パンの袋がつむじ風に舞っている映像がうつっていた。 おとうさんが死んだことは、どうしようもない大きな穴だけれ…

暗いところで待ち合わせ

休園のおしらせの翌朝にげんちゃんが熱を出し、そうこうするうちに濃厚接触者の連絡がはいった。かたっぱしから電話をかけまくって検査の枠をおさえ、一般診療の終わった六時半に自転車で小児科に乗りつけた。PPEをつけた看護師が薄暗がりに待っていて、裏口…

あなたのための短歌集

ふみちゃんの入学式、が午後からだったので、昼前にぴかぴかのランドセルを背負ったふみちゃんと小学校にいって、入学式の立て看板の前で写真を撮ってから、ロイヤルホストまで歩いてお昼をした。入学式の看板はいつも正門前にあって記念撮影が長い行列にな…

滅私

春先の、寒さにしてもあたたかさにしても頼りないところが好き。目覚ましの鳴るちょっと前かだいぶ前に目が覚めてしまい、アラームを聞かない日が続いている。薄闇の布団のなかでぼんやりしている時間に、足先が冷えるような気がして体をまるめる。 アルバム…

猫だつて夢を見る

桜が散り始めると地に足がついた感じがして少しほっとする。この世が桃源郷になり、なにかとのトンネルが通じてしまうような短い魔法がとける。 ふみちゃんがぴかぴかの一年生になり、初日のお弁当を四時半起きでこしらえる。リクエストのお品書きを書いても…

ショージ君の「料理大好き!」

同僚が送別会をひらいてくれた。名ばかりデザイナーズの雑居ビルで、肉の枚数が絶妙に割り切れない数でサーブされるので、最後の最後に殴り合いになるかと思った。ビールをたらふく飲んだ。 ショージ君の「料理大好き!」 (文春文庫) 作者:東海林 さだお 文藝…

ラモーナ、明日へ

ふみちゃんの卒園式があった。自分でお気に入りの洋服をえらび、コーディネートをして、両手で♡のマークを作って首を傾げて写真におさまっている。二歳くらいのときは物静かで、自転車のうしろに乗せたはずなのにうんともすんとも言わないでだんまりしている…

人生最後のご馳走

寒、戻りすぎ。三角公園の桜の蕾がひらいてきたと思ったら、雪が舞った。ひょんなことからテレビの取材を受けることになり、カメラが家までやってきた。げんちゃん、びっくりしてしばらく大泣きしたけれど、レーズンをつまんで動画をつけたらソファにごろん…

バラバラの名前

庭先に植えたいちごの苗が冬を越して白い花をつけたところでお雛様をしまった。桜が少しずつ咲きはじめている。自転車を漕いでスーパーに向かうときに、前をいくふーたんが、あ、と自転車を止めて、ちょっとまって、と歩道のわきに咲いたたんぽぽを摘んで、…

ラモーナとあたらしい家族

異動はお昼休みの真っ只中にオンラインで発表になるので、デスクに座って人知れずソワソワしていたのだけれど、結局だれも昼休みのうちには気がつかなかった。昼休みのあとで声をかけられたときに、どういう表情をしたらよいのかわからずににやついてしまう…

死まで139歩

ワクチンの副反応とげんちゃんのお熱が重なって週明けからくたくたになった。カロナールをレオンのゲイリー・オールドマン風にキメたけれど、身の置きどころのない節々のだるさで冴えない半日を過ごした。熱が下がったふたりで散歩に出て帰ったら、上の子た…

しまおまほのおしえてコドモNOW!

こどもたち四人の赤んぼうだったときの写真を壁に飾る。ついでにこないだ実家に帰ったときに見つけた、母に抱かれている赤んぼうの自分の写真(をスマホで撮ってプリントアウトしたもの)も飾る。みんなみんなあかちゃんだった。父と母が新婚旅行に出かける…